蜷川幸雄さんがお亡くなりになったと、先程ニュースで知りました。
亡くなるイメージがわかない方(とは言っても、最後にしっかりお会いしたのは10年前ですが)だったので、凄く驚いています。なんか信じられません。
私のデビュー作は、
10年前…とはいえ、自分にとってはデビュー作ですし、なんと言っても稽古一ヶ月、本番が一ヶ月もあるような舞台。
蜷川さんの稽古場での熱い姿、優しい笑顔、印象に残る言葉。
沢山の思い出があります。
蜷川さんが熱い稽古をされるのは有名なお話ですが、勿論それだけではないです。
熱い稽古から一転、
稽古休憩中には自ら歩き回り、気さくに役者に声をかけてくださりました。
自分にとっては蜷川さんは別次元の方なので…本当に嬉しかった。
それもあってか、10年前の会話なのにいまだに鮮明に覚えています。嬉しかったんだろうなぁ。
そしてある日のこと。
舞台の稽古日と、蜷川さんのお誕生日が重なりました。
スタッフ・キャスト総出で祝うのだろう…
てっきり、そう思っていたら、
なんと、逆に蜷川さんからみんなへ…お寿司プレゼントのサプライズ!!
アンサンブルも含めるとかなりの人数です。
「俺は祝われるのが苦手なんだよ(笑)」
なんて、照れ臭そうに、はにかんだ表情でおっしゃる蜷川さん。すごく素敵でした。
その光景は今も脳裏に焼き付いています。
稽古中には、
「バカ!!○ね!!さようなら!!!」なんて言われたものですが(笑)
結果、本当に良い思い出しかありません。
劇場【シアターコクーン】に小屋入りしてから数日。
ある日、蜷川さんが、役者数人と自分が座席に座っている時にこうおっしゃりました。
「役者はみんな、ここに立ちたがってんだよ。ここに立てるってことは凄いことなんだぞ。」
正直、当時の自分はそこまでピンときてませんでした。
なんせ20歳で、そしてデビュー作ですから(笑)
ふーん。ぐらいに思ってたんです。←生意気か。
きっとそういうのも全部見抜かれてたんでしょうね(笑)
だって、今はその価値もわかり…シアターコクーンに立ちたくて仕方ないですもん(笑)
叶うなら、今度は成長した姿で…また蜷川さんとご一緒したかったです。
本当に、偉大なお方でした。
色んな人達の人生に影響を与えてらっしゃる方です。
自分も多くのことを学びましたし、10年経っても色褪せない思い出が沢山あります。
謹んで、ご冥福をお祈り致します。
ありがとうございました。