蜷川幸雄さんがお亡くなりになったと、先程ニュースで知りました。



亡くなるイメージがわかない方(とは言っても、最後にしっかりお会いしたのは10年前ですが)だったので、凄く驚いています。なんか信じられません。



私のデビュー作は、



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2006年に上演された蜷川幸雄さん演出【タンゴ・冬の終わりに】でのアンサンブル出演です。

 

10年前…とはいえ、自分にとってはデビュー作ですし、なんと言っても稽古一ヶ月、本番が一ヶ月もあるような舞台。



蜷川さんの稽古場での熱い姿、優しい笑顔、印象に残る言葉。
沢山の思い出があります。



蜷川さんが熱い稽古をされるのは有名なお話ですが、勿論それだけではないです。



熱い稽古から一転、



稽古休憩中には自ら歩き回り、気さくに役者に声をかけてくださりました。
自分にとっては蜷川さんは別次元の方なので…本当に嬉しかった。
それもあってか、10年前の会話なのにいまだに鮮明に覚えています。嬉しかったんだろうなぁ。



そしてある日のこと。



舞台の稽古日と、蜷川さんのお誕生日が重なりました。



スタッフ・キャスト総出で祝うのだろう…



てっきり、そう思っていたら、



なんと、逆に蜷川さんからみんなへ…お寿司プレゼントのサプライズ!!



アンサンブルも含めるとかなりの人数です。



「俺は祝われるのが苦手なんだよ(笑)」 



なんて、照れ臭そうに、はにかんだ表情でおっしゃる蜷川さん。すごく素敵でした。
その光景は今も脳裏に焼き付いています。



稽古中には、
「バカ!!○ね!!さようなら!!!」なんて言われたものですが(笑)



結果、本当に良い思い出しかありません。



劇場【シアターコクーン】に小屋入りしてから数日。
ある日、蜷川さんが、役者数人と自分が座席に座っている時にこうおっしゃりました。



「役者はみんな、ここに立ちたがってんだよ。ここに立てるってことは凄いことなんだぞ。」



正直、当時の自分はそこまでピンときてませんでした。
なんせ20歳で、そしてデビュー作ですから(笑)
ふーん。ぐらいに思ってたんです。←生意気か。



きっとそういうのも全部見抜かれてたんでしょうね(笑)



だって、今はその価値もわかり…シアターコクーンに立ちたくて仕方ないですもん(笑)



叶うなら、今度は成長した姿で…また蜷川さんとご一緒したかったです。



本当に、偉大なお方でした。



色んな人達の人生に影響を与えてらっしゃる方です。



自分も多くのことを学びましたし、10年経っても色褪せない思い出が沢山あります。



謹んで、ご冥福をお祈り致します。



ありがとうございました。