演劇「制服」安部公房 Q&A | ともともボイス

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ホントのことが知りたい。。。

2024年2月23日公演
「制服」安部公房


 


【質問】

差別に関する演題で、演じる前の役のイメージへの取り組み方と、お稽古を経験されて本番を迎える前の役への取り組み方とでは役者さん側で何か変わった部分はありましたか?

 

 【回答】

金曜討論会 資本家役の朋代です。
鹿児島では資本家と呼ばれる方は数えるほどしかいらっしゃらなくて、身近に感じることができなかったのですが、イメージとしてはお金を持っている人、大きなお金を動かしている人、お金で何でも片付けてしまう傲慢な人、そんな感じで役作りしました。

討論会最後の部分、在日四世に「当たり前でしょ!あなたたちは日本人じゃないんだから。」の台詞は、上から目線でバカにして言っているのですが~最終的にその台詞は日本国籍を取得するのを困難にしている日本そのものであると感じていました。

そして、「警察は、特権階級だからでしょ!」という台詞があるのですが、最初は、特権階級を利用して警察上層部は裏でいろんなことしてるんでしょう!?みたいな怒りの気持ちがこみあげていました。しかし、ジュンさんのアドバイスで、資本家も同じ特権階級であると認識して言い方を変えました。

私は昭和、平成、令和と経験していますが、確実に時代は変化していて、現代はインタネットのネットワークの広がりで、様々なモノ・コトの本質を理解すると、世の中の嘘や裏側がガラス張りになって見えてしまう時代だと思うのです。昭和の頃のトップダウンから、今はボトムアップ、群衆の知恵や意思がトップに反映する時代だと。だからこそ、差別や偏見などや決めつける意識をなくすためにも次世代を担う子どもたちにそういう部分の教育も必要であると思いますし、大人たちの声も重要になってくると思います。この演劇を通じて、自分の中にも差別や偏見決めつけの意識があったことにも気付きましたし、そういったことをいろいろ考えました。

この演劇「制服」を観て頂き質問してくださって、本当にありがとうございました。2025年の本公演もどうぞお楽しみに!