ちょっと今回は、過去を思い出しながら時系列で綴っているブログから離れて、少し余談を。
私の病院選びについて。


実は、今回の卵巣嚢腫(卵巣癌の疑い)の発覚にあたって、A大学病院の後、私はいくつかの病院も尋ねてみました。


ブログで書いている通り、何か変だな…と、お腹に異物を感じた私は、A大学病院へ紹介状もなくフラりといきなり尋ね、
有り難いことに婦人科の教授が、すぐに初診で見て下さり、当日中にMRIにもねじ込んでもらえて、翌週には手術の予定も組まれました。

この初診から、手術予定までは2ケ月。
(結果的には1ケ月に早まったんだけどね)


この期間は、私にとって、精神的にかなり苦痛でした。

なんせ、良性なのか悪性なのか全く分からないまま、お腹の異物と不安を抱えて2ケ月を過ごさなくてはならない訳で。

【私は癌かもしれない…】という、今まで経験した事のない、ゾッと背筋から溢れてくるような恐怖感で、眠れない日々を過ごしてました。


心友いわく、
「手術までに、鬱になってしまうかと思った」そうで。
先輩にも、
「まだ何も分からないのに、病気と闘う前に、心が負けてしまっている」と言われ。
自分でも、平静を装っていても、精神的にやられかけてきているのは分かってました。


そんなある日、同僚に言われた一言。
「手術までの期間がまだかなりあるなら、色んな病院を当たってみたら?初診として行ってみてもいいし。セカンドオピニオンでもいいし。見解によっては転院もありじゃない?」


聞けば、同僚は昔、手術をするに当たり、いくつかの病院を回り、自分が納得をする病院を選んだとのこと。
「手術で命を落とすことだってあるんだし、ある意味自分の生死が関わるかもしれないのだから、今、見てもらっている病院に義理立てをする必要もないし、じっくり考えてみたら?」と、アドバイスをされました。


成る程。
時間もあるし、意見を聞くのも兼ねて、回ってみようかな。


そう思った私は、まずN大学病院へ。
ここは、県内でも卵巣に関しての施術症例がダントツに高い病院で、卵巣疾患の研究も非常に取り組んでいるとのこと。
ネットで検索すると、初診料は多くかかるけれど、紹介状がなくても良いと記載がありました。

総合受付で紹介状がない旨を伝えて、婦人科で見てもらえるかの確認をすると、
「初診料が多くかかりますが大丈夫ですよ。ただ、数時間待っていただくことにはなります」
ということで、待つこと2時間。

ようやく呼ばれ、
「では、今から婦人科の受付へ行ってください」
そして婦人科の受付で待つこと1時間。

合計3時間待たされましたが、紹介状もなく来ているのだから、そこは全く気にはなりませんでした。


漸く声がかかったので、婦人科の受付へ近寄ると、受付の方が一言。

「紹介状がないので受け付けられません。近くのクリニックで貰ってきて下さい。紹介状もないと、婦人科の疾患かも分からないので、先生も受け付けられないと言っていますので」


先生の仰ることはもっともです。
(なんせ飛び込みですし、そこは一切我が儘は言えません)
ただ、総合受付では紹介状はなくてもOK。
待って待って、婦人科に回されてからはNG。
そんな見解の差や連係プレーの悪さに、N大学病院に対して「…?」という思いを抱きました。
決してN大学病院の先生が悪いわけではなく、総合受付→婦人科受付での、初めの対応力に不信感を持ってしまった訳です。


自分がお客様相手に働いているせいか、
「サービス業なら、OKですと3時間待たせて、やっぱりダメと言ったら大クレームものだけどなぁ…」と思いながら帰りました(笑)


その後、行ったのが近所のWクリニック
他の大きな病院に行くための紹介状を貰うためと、あとは小さなクリニックが、私の卵巣をどう診断するのかな?という部分も兼ねて行きました(もちろん初診のふりで)


明るい町医者さんで、
「卵巣が大きく腫れてるねー。今のところの診断は卵巣嚢腫。でも、少しうっすら影があるから、癌かもしれないよ」
と、見解的には、A大学病院と同じでした。


「紹介状を書くけど、どこの病院がいい?」

「先生、例えばどこがありますか?」

「うーん、この辺だとN大学病院やYN病院か、Gセンターかなぁ。あ、A大学病院もあるよ」

「例えば、もし癌だとして、手術するとなると、先生のおすすめの病院はあります?」

「ううん。今、言った所の技術的な差は変わらない。あとは、相性!」
(ちなみにこの先生、N大学病院婦人科のOBです)

N大学病院は、なんだかもう行く気分にはなれないし…A大学病院は通っているし…YN病院は少し遠い…
等々考えて、Gセンターの紹介状を貰いました。


Gセンターは、父も半年に1度は通っていて、家からも近い立地です。こちらの婦人科の部長さんは、とてもソフトで優しい感じの女医さんで、

「クリニックのエコーだけでは何とも言えませんが、癌の可能性はあります」
とのことでした。

ここで、私は正直に、いまA大学病院に通っていること、手術が5月半ばだということを明かしました。

「そうなんですか。もしこちらに最初の3月から来ていただけてたら、たぶん今週手術していましたよ。今からだと、同じ位になっちゃうかなぁ」

「先生、例えば、もし癌だった場合、化学療法だけこちらでやる方はいるんですか?家も近いので」

「うーん、あまりお勧めはしません。やっぱり手術で実際にお腹の中を見た病院で、化学療法も受けるのが一番ですよ。化学療法も病院によっては入院でやる病院もありますけど、うちは基本的に日帰りでやってもらっています」

「そうなんですか」

「もしこちらで手術なさるなら、同じことの繰り返しにはなると思いますが、もう一度初めから検査等もやらせて貰いたいですし、決めたら仰って下さいね」

「ありがとうございます」


そんな、やり取りをして帰りました。


結局、いくつか回ったものの、自分の中ではむしろA大学病院にどんどん気持ちが固まっていきました。


①紹介状もなく突然行った私を、大きな病院でありながら、受け入れて診察と検査を急遽してくれたこと。
②何とか早く手術してあげようと、婦人科のカンファレンスで話し合って、調整に手を尽くしてくれたこと。
③検査でも、各部署の先生方に尋ねれば「なぜこの検査が必要なのか」等の説明を色々してくれるし、それがとても明解で分りやすい所。
④総合病院なので、他の部分に問題が出ても、同時に対処して貰いやすい所。
(後にブログで説明しますが、私は別の病気も見つかりました)
⑤家から近く、改装したばかりでとにかく病院&病室が綺麗で清潔。
(入院中、お見舞いに来てくれた友人達は「ここ病院?」と、驚いてました)
⑥県で唯一の高度救急指定センター病院なので、何かあったときも24時間安心。

でも何よりも、
初診で紹介状もなく飛び込んだ私を「すぐ検査しよう」と、慌てて手を尽くしてくれたW教授。
何とか手術を早められないかと、私の目の前でチームで話し合ってくれた、婦人科の先生達の様子が目に浮かんできて、それが一番の決め手でした。


クリニックの先生の
【技術はどこも変わらない。あとは、相性!】


あの言葉が、とてもストンと胸におちて、
ああそうか、相性かー。
と、とても心が晴れたのを覚えています。


以上、余談でしたが、
私の病院選びはこんな感じでした。
人それぞれですが、縁あって、今の病院と出会えたんだと思っています。


ではでは、時系列のブログに戻りますネ。