内容は、来年6月末までは海外でのパケット使用料一日上限1,480円というもので、他社に類を見ないサービスとなっています。一応、ドコモにも似たような見せ方のサービス がありますが、上限が完全固定の海外パケ放題はソフトバンクが初めてで、今度は国際パケット通信の領域でも意欲的な価格競争を引き起こそうとしています。
というのも、国際通話料も国際パケット通信料も、国内3キャリアは他国に類を見ないほど高額で、うっかり海外で長電話したり、軽くiPhoneをローミングでデータ通信しようものなら、軽く万単位の請求が後でやって来るのです。海外でも簡単に使える!と言っておいて、3社結託して悪徳商売しているようにすら見えていました。
この領域にメスを入れたわけですから、またもややってくれたソフトバンク!という感じです。
と一瞬思ったのですが、よくよく内容を読んでみると怪しい点がちらほら。
■ 定額の対象が謎
現在ソフトバンクモバイルのページから張られているリンクには以下のような記述があります。海外パケットし放題
http://mb.softbank.jp/mb/international/roaming/area_price/packet/
定額対象サービス:海外でのメール、ウェブ等全てのパケット通信
しかし、本日発表されたプレスリリース には次の通りあるのです。
1. 定額料
2011年6月30日まで0~1,480円/日※1、2011年7月1日以降は0~1,980円/日※1となります。なお、動画などの利用時は0~2,980円/日※2の予定です。
[注]※1SMS(送信料100円/受信料無料)は定額の対象外になります。
「全ての」パケット通信と書いておきながら、定額対象外の制限を入れるって問題ないでしょうか?
いつぞやの、広告の隅っこに小さく但し書き事件を思い出します。
動画などの、「など」というのも何なのか全くわかりませんが、1,480円という価格を見せておいて実態はほとんどの場合が2,980円ってことはないですよね?詳細が決定次第お知らせするとのことで、この辺りは続報を待ちましょう。
■ SMSが定額対象外の罠
これが本当であれば、かなりの罠です。というのも、特にiPhoneユーザーにとっては、SMS/MMSにおいてSMSかどうかを意識しないからです。テキストのみでメールを送るときはSMS、複数宛先があったり画像などの添付ファイルがあればMMSとiPhoneが自動的に判断して送信します。つまり、パケットを抑えようと簡単なテキストだけで送信すると定額対象外の一通100円かかり、パケットを使いまくる画像や動画などを添付すれば定額になるという何ともおかしな状況となるわけです。海外で「おはよう」とか「おやすみ」程度のチャット的使い方をしていた場合(iPhoneの場合たちが悪いことに、SMS/MMSのクライアント画面がチャット風)、帰国したら定額と思っていたパケット使用料が何万円にもなっていることが容易に想定できます。
更にSMSがタチ悪いのは、一通100円ではなく、140文字100円であるということ。141文字送った場合は200円取られます。まるで、知らないユーザーからはきちっとお金をふんだくろうという思いが見え隠れしているようでなりません。
実際にはSMSはパケット通信ではないので定額対象外となることも筋は通ってはいるのですが、そんな仕組みを理解しているユーザーなんてほとんどいません。何より、そもそも国際SMSが100円ってのが高すぎる(確か、昔は50円だった気がするけどなぜ上がったし)。
■ とはいえ、うれしいこともたくさんある
まずは、MMSが定額に収まること。これは、実は送信よりも受信でうれしいのです。というのも、ソフトバンクは元々Vodafoneの頃より(もっというとJ-PHONEの頃から)、MMSの受信192文字までは無料というサービスをやっているのですが、この効果を発揮するのが迷惑メールの類。ソフトバンクであれば、タイトルと先頭の文章さえ読めば中身が判断できるので、読みたくないメールは破棄すること 受信料を取られないのです。しかし、これがiPhoneの場合相性が悪くなるのです。ソフトバンクのケータイには当たり前の192文字だけをまずは受信する選択受信の機能がiPhoneにはないのです。となると、海外においては迷惑メールが送られれば送られるほど一通当たり100円が吹っ飛んでいくのです。まじです。実際に海外から帰ってきて通話明細見て唖然とした経験がありますから。この被害から解放されるだけでも価値があります。
更に言うと、Skypeが心置きなく使えること。奇しくも、先日Skypeは3G回線でも使えるようになりました。国際通話料はかけてもかかってきても一分200円近いというふざけた値段設定なわけですが、これからは、電話がかかってきたらSkypeで折り返せば圧倒的節約ができるというわけです。すばらしい!
まぁ、タイトルを挑戦的に書いてはみましたが、とにもかくにも海外パケ放題にはエールを送りたい!今後のサービスにも期待しています。