『産前』『産後』に出る骨盤の痛み | 【神戸垂水】 とも鍼灸(はりきゅう)治療院

【神戸垂水】 とも鍼灸(はりきゅう)治療院

神戸市垂水区《とも鍼灸治療院》です。
鍼灸師が伝えたい~毎日を幸せにするコツ~
を中心に書いていきたいと思います。




『産前』『産後』は、骨盤の大きさなどが変化するので

異常の出やすい場所になります。

特に妊娠前から『産前』にかけて骨盤に痛みの出ている方は、

『産後』も強い痛みに悩まされる事が多いのです。



これは痛みの有無に関係なく大事な事なのですが、『産後』すぐの骨盤は

広がったままになっています。

ですからママタレントなどが『骨盤を締めないと体型が崩れる』と必死に

色んな事をしているようです。



もちろん骨盤は締めていかないとダメなのですが、2か月を過ぎないうちに

運動をする事は決してオススメできるものではありません。

『産後』の女性は妊娠で膨らんだ子宮や、負担のかかった内臓が

落ち着くのに時間が必要です。

2~4週間は内臓的に安静が重要です。



この時期にあまり立ち座りや歩き回るような事をすると、

ホルモンのバランスや内臓の状態が悪くなりますし、

産後うつや更年期障害などの不具合が出ることもあります。

悪露が治まるまでは、体の内部は正常な状態に

なっていないという事です。



そう考えると6~8週間は、あまり無理をしてはいけないという事になります。

そしてもう一つ大事な事は、妊娠中や出産時には骨盤の靭帯を

緩めるホルモンが出ていて、骨盤が開きやすく出産しやすいように

なっています。



それが産後徐々に減少し靭帯が硬くなってきます。

この靭帯が硬くなるまでに偏った体勢をしてしまうと、妊娠前と違って

簡単に体が歪んでしまうのです。

8週間を過ぎると靭帯が硬くなり、歪みの残ったまま体型が

落ち着いてしまいます。



産後太りやガニ股などの体型の大きな変化は、このような事が

原因になっています。

妊婦体型のまま固まってしまったのです。



この無理をしてはいけないというのは、どのようなことか分かりますか?

歩き回ったり立ち仕事や運動など激しい動きを、してはいけないと

思っている方が多いかもしれませんがそれは違います。



長時間座っていてもいけませんし、中腰や前かがみなど家事一般は

最悪な姿勢です。

最低4週間は横向きで寝ている時間が本当は必要になります。

ただ今の社会的な現状で、それが出来るのは少数になるでしょう。



ですから殆どの産後の女性は、しっかりとした安静が

取れないという事になります。

ではどうすれば良いのでしょう?



まず最低2週間は、激しい動きや長時間の同じ姿勢はダメです。

出来るだけ短い時間にしていくことが重要で、疲れたらすぐに休みます。

足を組んだり・片肘をついたり偏った動きをしてはいけません。



ただこれは痛みが無い場合になります。

痛みがある場合は、鍼灸院などの治療院に早めに行くことをオススメします。

産後半年ぐらいは治療の効果が高く、正しい治療が出来れば

妊娠前より正しい姿勢を手に入れる事が出来るのです。



今私が往診に行っている患者さんは、里帰り出産ではなく

早い時期から家事をして安静にすることは出来ませんでした。

産後1か月ほどから治療を始めたのですが、骨盤が開き・足が浮腫み・

骨盤が歪んで姿勢が悪くなっていました。

痛みも強く寝返りも辛い状態です。



しかし治療を始めると一度目の治療から骨盤は締まり始めて、

痛みや浮腫みもすぐに無くなりました。

3回ほど治療をすると妊娠前の状態に戻り、以前履いていた

ズボンがゆったりと入ったそうです。



しかし、産まれたての赤ちゃんを連れて治療院に行くことは大変な事です。



ですから次回は、痛みのある人の為に家で出来る対処法のついて

考えてみようと思います。