ルームシェア素顔のカレ for GREE
小鳥邸
近距離恋愛のススメ
~それは甘い贅沢~
開催期間【4/8-4/15 16:00】
菊原千尋
Stage①と②(ハピエン・ノマエン)のミニシナリオです
ハピエンとノマエンの内容は同じです
※主人公の名前は脳内変換させてご覧ください。
Stage2(HappyEnd) 一日が終わるまで
episode1
17時
千尋さんが連れてきてくれたのは、さっき通りかかったセレクトショップだった。
「俺はここで待ってるから」
店内へ入るなり、千尋さんはソファーに腰を下ろす。
「え…?」
「今日は俺のしたいようにするっていう約束だろ?」
「それはそうですけど…」
「ほら、早く着替えておいで」
ソファーの肘かけに頬杖をつきながら、優しく微笑む千尋さん。
(着替えるってこういう事だったんだ…。てっきり、小鳥邸へ帰るのかと思ってた)
店内を見渡すと、さっき見かけたワンピースが私の目を引いた。
ちらっと千尋さんを振り向いてみたけれど、変わらず微笑んだままだ。
(…これ、着てみようかな)
ワンピースを手に取って試着室へ入り、袖を通してみる。
(あれ? …あ、背中のファスナーが引っかかってる)
「着替え、終わった?」
カーテンの向こう側から千尋さんのそんな声が聞こえてくる。
「すみません。ちょっとファスナーが引っかかってて…」
「ファスナー?」
すると、カーテンが少し開いて、千尋さんが入ってきた。
「わっ!」
「今さら驚くこともないだろう?」
後ろ手で素早くカーテンを閉め、千尋さんがファスナーを上げてくれる。
「ありがとうございます…」
背中に千尋さんの視線を感じてなんだか恥ずかしい。
「似合ってるよ…智子」
首筋に吐息がかかったかと思うと、そのまま後ろから抱きしめられる。
薄い布越しに千尋さんの腕の感触が伝わってきて、心臓が大きく脈打った。
「あ、あの…千尋さん」
「もっとよく見せて」
耳元で吐息まじりに囁いた千尋さんが、肩越しに顔を近づけてくる。
(えっ…!?)
思わずぎゅっと目を閉じたとき。
千尋さんがスッと体を離し、背中に感じていた熱が遠ざかる。
「外で待ってるから、ゆっくりおいで」
どこか楽しそうに微笑みながら、試着室を出て行ってしまった。
「も、もう…」
(こんなところでからかうなんて…)
ドキドキと高鳴る胸を抑えて、深呼吸をする。
そうして気持ちを落ちつけてから、試着室を出た。
episode2
結局、さっきのワンピースは千尋さんが買ってくれた。
(…今度、千尋さんに何かお礼しなくちゃ)
「千尋さん、ありがとうございました」
「どういたしまして」
セレクトショップを出た私たちは、日も傾いて茜色に染まる路地を歩き出す。
(せっかく千尋さんに可愛いワンピースを買ってもらったんだから
このまま帰るのはもったいないな)
今日は千尋さんの日常を覗かせてもらうのが目的だったはずなのに、
いつの間にかデートのような気分になっていることに気づく。
(そうだ…今日は千尋さんについて行くだけだったよね)
「…キミはすぐ顔に出るな」
「えっ?」
「心配しなくてもまだ帰らないよ。もう少し付き合ってもらうから。
せっかく着替えたことだしね」
「そ、そうですね」
(千尋さんにはなんでもお見通しだな…)
それでもまだ一緒にいられることが嬉しくて、私の顔は自然と緩んでしまうのだった。
それから千尋さんと楽器店に立ち寄り、いくつか楽譜を見て…。
すっかり日も沈んで暗くなった頃、千尋さんは一軒のバーへ入って行った。
(わ、すごく雰囲気のあるお店…)
千尋さんは慣れた様子でカウンター席に座る。
「いつもの」
マスターに声をかける姿も落ち着いていて、思わず見惚れてしまう。
「…キミは?」
「あっ、それじゃ私も…」
隣に座り、メニューを見ながらお酒を注文する。
(千尋さんって、こういうお店でお酒飲んだりするんだな)
すぐに2人分のお酒が出され、千尋さんは片手で頬杖をつきながらグラスを傾けた。
「…」
その横顔を見つめながら、私もグラスに口をつける。
(何か考え事でもしてるのかな…)
episode3
(千尋さんって何をしてても絵になるよね)
「ふふ…」
「どうして笑ってるんだ?」
「いえ…千尋さん、何を考えてるのかなと思って」
「考え事してるってよくわかったね」
少し意外そうな顔をして、千尋さんはもう一口お酒を飲んだ。
「ここで飲むときはいつも、次の演奏会について考えていてね」
「…確かに考え事するにはぴったりの雰囲気ですよね」
「ここは静かに飲める店だからな。 だが…今日はどうも集中できないみたいだ」
千尋さんはフッと微笑んで、グラスを持っていない方の手を伸ばして私の髪に触れる。
「どうしてですか?」
「演奏会のことを考えようと思っても、キミのことばかり考えてしまう。
いけない子だ…俺を誘惑して」
「し、してないですよ!」
「そう…自覚がないのか」
その長い指で私の髪をくるくるともてあそぶ。
(なんでこんなにいちいち、仕草が色っぽいの?)
「…今日はここまでにしようか」
グラスの中身を飲み干して、千尋さんが席を立つ。
「そうですね…」
(もうこんな時間だもんね…でも、ちょっと寂しい気もする)
千尋さんと過ごした一日はあっという間で。
もう少し一緒にいたいと思いながら、2人で小鳥邸に帰るのだった。
episode4
23時30分
帰宅して入浴を済ませると、もういつもの日常に戻ったような気持ちになる。
いろいろなことがあった一日も終わろうとしていた。
(今日は千尋さんの一日が見れて楽しかったな)
「…あれ?」
廊下を歩いていると、アトリエの方から千尋さんがやってくるのが見えた。
「千尋さん、どうしたんですか?」
「今夜は鍵閉め当番だったから、アトリエの鍵を閉めてきたんだが。
まったく、裕介は不用心すぎる」
「どうかしました?」
「裕介のアトリエだけ窓が開けっ放しだった」
「ふふ、裕介さんらしいですね」
肩を並べて歩いていると、千尋さんが自分の部屋の前で立ち止まった。
てっきりそのまま戻るのかと思いきや、ドアを少し開いて振り向く。
「…入る?」
そう言って微笑まれると、断ることなどできるはずもなく…。
「はい…」
まるで誘われるように私は頷いていた。
「それで、今日一日どうだった?」
ソファに座りながら、千尋さんに今日の感想を求められる。
「すごく楽しかったです」
「それだけ?」
「私が知らない千尋さんの顔をたくさん見れた気がして、嬉しかったです」
「そう…ああ、言い忘れてたけど 今日のことはあいつらには秘密だから」
(やっぱり、みんなには知られたくないんだ)
「ふふ、わかりました」
「どうして笑うんだ?」
「いえ…裕介さんと清田さんが言ってたんです。千尋さんに聞いてもきっと教えてくれないって。
その通りでしたね」
「わざわざ話すようなことじゃないだろう」
千尋さんは少し呆れたような顔をする。
「普段の俺を知るのはキミだけでいい」
「千尋さん…?」
ソファに手をついて、千尋さんがぐっと距離を詰めた。
episode5
近づいてきた綺麗な顔に見惚れていると、私を試すような笑みを浮かべる。
「そういえば、まだ一日終わってないけど…どうする?」
(どうするって…そんなの、答えは決まってる)
「今日が終わるまで一緒にいたいです…」
「いいよ。智子が望むなら」
「わっ…」
千尋さんが膝の裏に手を入れ、私を軽々と横抱きにした。
「あ、あの…」
戸惑っているうちに、そっとベッドに下ろされる。
「智子…」
ベッドに片足を乗せた千尋さんが、優しく微笑みながら私の髪を撫でた。
「もっと密着してみる?」
「え…?」
ぐっと体がベッドに沈み込んで、千尋さんの唇が降りてくる。
「ん…ち、千尋さ…」
離れたかと思うとすぐに戻ってきて、何度も重なる唇。
息ができなくなって千尋さんの胸に手をつくと、さらにキスが深くなる。
温かな腕に包まれながら、そうして夜が更けても離れられずにいた。
ふと目を覚ますと、すぐそばに千尋さんの顔があった。
「わっ…ち、千尋さん」
「おはよう」
「お、おはようございます…」
「よく眠ってたね」
「え? 今、何時ですか?」
「まだ朝食前だから慌てなくても大丈夫」
千尋さんはベッドに寝そべったまま片肘をつき、ゆったりと私を見下ろしている。
「結局、朝まで一緒でしたね」
「キミが離れたくないって言ったからだろう?」
微笑みながら、千尋さんが私の髪を愛しげに梳く。
「今度はキミの一日を見てみたい…かな」
「私のですか? 何もないですよ?」
「俺の一日だって特別なことは何もなかっただろう?」
「隠れ家的な古本屋とかおしゃれなカフェとか、私にとってはすごく特別でしたよ」
「それなら俺もキミに密着したら、同じように感じるかもな」
「千尋さん、私がどこへ行ってもついてきてくれるんですか?」
「そういうことになるな。 でも、もし俺が好まない場所へ連れていったら…」
「えっ?」
千尋さんはフッとおかしそうに笑う。
「もしかしたら仕返しをするかも…ね」
(仕返し!?)
「ちょっと怖くなってきたんですけど…」
千尋さんに仕返しされるところなんて、想像するのも気が引ける。
「キミがどこへ行くのか楽しみだな」
けれど千尋さんは楽しそうに笑いながら、私のおでこに優しいキスを落とすのだった。
Happy End
エピローグはイベント終了後にあっぷします(^-^)
