平成3年3月31日午後、新浦安駅に着いた。
ここから10分程の所に通称「総研」ニッセイ総合研修所があった。
ここから私のニッセイ人生がスタートするのだ。
総研の佇まいは一流ホテル。さすがに日本生命ていった感じだ。
エントランスをくぐると、目の前に入社2~3年目と思われる男性職員2名が立ち、純白の布に覆われた長机の上に、大学名と名前の書かれたネームプレートがいくつも置かれていた。
私は名前と大学名を告げ、自分のネームプレートを探した。

しかし、いくら探してもそこには私の名前が記されたものがない。

「私のがないんですが?」と男性職員に尋ねると、数分前とは明らかに態度を変え、明らかにバカにした口調で「だったらあっちじゃない?」と顎で視線を送った。

その男が顎でふった先には総研のカウンターがあった。そこには誰も対応する人はおらず、無造作に90個程のネームプレートが置かれていた。

「何なんだ?この対応は?」と不思議に思いながら、私はカウンターで自分の名前を探した。

すぐに自分のネームプレートを見つけた。

そして3階にある大会議室にエレベーターで上がった。

エレベーターのドアが開くと、会議室前に沢山の学生気分を引きずったままのニヤけた顔をしたひ弱な男達がタバコをくわえ、大きな声でたむろしていた。

いわゆる営業管理職コース7期生の同期入社の男達だ。