前回の記事で、
タロットカードに使われている基本となる8色の持つ意味や象徴を
ご紹介させていただきました。
けれど、色にはもう一つの顔があります。
今日はそんな、影の部分をそっとお伝えします。
●白/White●
過剰な清らかさは、心をも閉ざす
白は“純粋”・“無垢”・“浄化”といった理想を象徴する色。
でも、その理想が強くなりすぎると、
現実や他者との間に隔たりを生むことも。
『こうであるべき』『こうでなければならない』と
自分や周囲に厳しくなりすぎていませんか?
そんな時、本来の温かさや柔軟さが失われ、
孤立感や空虚さを感じやすくなるのです。
白に惹かれるとき、
誰かに届くはずの光が、
自らの心の壁に跳ね返ってしまう。
そんな“静かな孤独”が潜んでいるのかもしれません。
そんな時は、静かに目を閉じ、深く呼吸してみましょう。
『完璧じゃなくてもいい』と許した瞬間、
心の奥にあたたかな光が差し込み、
『こうであるべき』と思っていた景色が、
ほんの少し違った色合いに見えてくるかもしれません。
《キーワード》
理想主義・潔癖すぎる・自他への否定・空虚感・無関心・拒絶
●黒/Black●
闇に囚われたとき、自らのひかりも見失ってしまう
黒は“内省”や“潜在意識”と深くつながる色。
その深さゆえに、自分の心の奥に閉じこもってしまうことも。
不安や絶望、孤独といった感情に押しつぶされると、
心は“闇”の中で出口を見失い、
世界と自分自身のすべてに対して希望を失ってしまいます。
けれど、闇は光を閉ざすものではなく、
光があるからこそ生まれるもの。
黒に惹かれるとき、
閉ざされたその奥に、
まだ眠っている小さな灯りがあるかもしれません。
闇に囚われそうになったら
朝、目覚めた時、鏡の中の自分に、
やさしく微笑んで「おはよう」と声をかけてみてください。
その小さな一言が、
閉ざされた心の奥に灯る光になるかもしれません。
《キーワード》
絶望・孤独・破壊的思考・閉塞感・心の闇・依存・逃避
曖昧さは時に、何も選ばないのと同じ
グレーは“中立性”や“柔軟性”を象徴する色。
しかし、影の側面では“優柔不断”や“無関心”を招くことも。
どちらにも寄らないことで、衝突を避けられる反面、
自分の意志や選択を曖昧にし続けてしまう。
その結果、関係性が希薄になったり、
大切なチャンスを見逃すことに。
グレーに惹かれるとき、
それは『決められない自分』や『心の冷え』を
映し出しているのかもしれません。
そんな時は、迷っていることを書き出してみてください。
書き出しても気持ちが晴れないときは、
その紙を破って手放してしまいましょう。
《キーワード》
曖昧・優柔不断・判断回避・共感の欠如・心の冷たさ・関係性の希薄さ
水色は“直感”・“精神性”・“想像力”を司る色。
けれど、その感受性の高さが裏目に出ると、
他人の感情に過敏になりすぎて傷ついたり、
現実から距離を置いてしまったりすることも。
理想と現実のギャップに失望し、
心をふわりと浮かせて“本当の自分”を見失ってしまいます。
水色に惹かれるとき、
そんな失望した気持ちを『心の曇り空』として
映し出しているのかもしれません。
そんな時は、空を見上げてみてください。
曇り空でも、空はいつもそこにあるように、
どんなあなたにも、変わらない価値があります。
心が揺れるのは、繊細さの証。
何も決めなくて大丈夫。
“今ここ”にいる自分を、そっと受け止めてみてください。
《キーワード》
感情の抑圧・内向的すぎる・現実逃避・思考の迷路・閉鎖的
●オレンジ/Orange●
明るさの裏に、孤独が潜んでいることもある
オレンジ、陽気で前向きな印象を与える色。
でも、その明るさが“心の寂しさ”や“空虚感”を
覆い隠す仮面になってしまうことも。
誰かと一緒にいることで安心しようとしすぎたり、
場を盛り上げようと必死になって、
本当の自分の気持ちをごまかしていませんか?
オレンジに惹かれるとき、
『自分の本音を見せられない不安』や
『ひとりになる怖さ』
のサインかもしれません。
そんな時は、無理に明るくふるまわなくて大丈夫。
“明るさ=安心”とは限りません。
太陽の下で、何も考えずにのんびり過ごしてみてください。
心の奥の静けさが、
あなた自身のあたたかさを取り戻すきっかけになるはずです。
《キーワード》
落ち着きのなさ・注意散漫・過剰なテンション・空元気・自己中心的
●緑●
やすらぎが過ぎると、変化を恐れる心が芽生える
緑は“癒し”・“調和”・“再生”をもたらす色。
その安らぎが『変化を拒む言い訳』にすり替わってしまうことも。
「今のままでいい」と自分に言い聞かせるうちに、
成長のチャンスや新たな挑戦から、
いつの間にか距離を置いてしまう。
また、人間関係の中で“調和”を大切にしすぎて、
本音を飲み込んでしまっていませんか?
緑に惹かれるとき、
優しさの裏にある、静かな“あきらめ”が
心に潜んでいるのかもしれません。
そんな時は、公園をゆっくり散歩してみましょう。
自然の中に身をおくことで、
あなたの中に眠っていた“希望”が、そっと目を覚ますかもしれません。
《キーワード》
優柔不断・依存・停滞・無気力・成長の拒否・嫉妬
燃えるような衝動が、
ときに自分も、まわりの人も傷つけてしまう
赤は“情熱”・“生命力”・“行動力”を象徴する色。
そのエネルギーが強くなりすぎると
“怒り”や“攻撃性”・“衝動性”として現れることも。
『こうあるべき』という強い想いに駆られて、
周囲を振り回してしまったり、
過度な自己主張や競争の中で、心が消耗していくことも。
赤に惹かれるとき、
それは心の奥にある『満たされない想い』や『不安』が、
燃える炎のようにあなたを突き動かしているサインかもしれません。
そんな時は、小さな目標でも構いません。
声に出して言ってみてください。
“言霊”という言葉があるように、
言葉には力があります。
そのひとことが、
“燃え盛る衝動”を“信じる力”へと
変えるきっかけになるかもしれません。
《キーワード》
怒り・攻撃性・衝動性・焦燥・不安定・欲望に翻弄される
●黄色●
笑顔の裏に、ほんとうの気持ちを隠していない?
黄色は“希望”や“よろこび”、“明るさ”の象徴。
けれど、その笑顔は本当に心からのものですか?
元気そうにふるまっていても、
心のどこかが少し疲れているかもしれません。
黄色に惹かれるとき、
誰かを気遣いすぎて、自分を見失っている――
そんな“無理している笑顔”を
映し出しているのかもしれません。
そんな時は、
そっと立ち止まって
「今の自分は、ほんとうに笑っている?」と
問いかけてみてください。
無理なポジティブではなく、
“心が自然にほころぶ瞬間”を大切にしていきましょう。
《キーワード》
虚栄心・焦り・慢心・うわべだけの笑顔・空虚な成功・表面的な満足
あなたが無意識に目に留めた色は、どんな“影”を映し出していましたか?
闇を知ることで、光はより鮮明になります。
色は、心の奥に静かに灯る道しるべ。
目を背けたくなるような想いにも、そっと光を当ててみる。
そんな時間が、次の自分を見つける道しるべになるのかもしれません。
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次回からは【導きの灯り~大アルカナ編~】。
オリジナルのフールの旅物語として、
大アルカナが示す象徴やメッセージを、そっと紐解いていきます。
お楽しみに♪
※8月1日 解説文を追記しました。







