退院した父と会話する中で
初めに驚いたのは

「お前が院長に口添えしてくれたのか。
もうあそこから出れんと思っとった。俺は何年入っとったんだ。2年か?3年か?」


病院での隔離生活が解除になり
リハビリを再開し様子を見てから
退院日が決まるはずが

説明されその場は理解して納得しても
忘れてしまうのか…

家に帰ることだけが
意識の真ん中を埋めていたようです





先が分からない世界の中で
父が不安に過ごした時間の長さを
感じずにはいられませんでした






難聴の父は耳から入った情報より
目にしたものの方が身体に残るので

父の入院中の家での出来事などは
様々な記録を書き残しておきました

日記代わりに書き込んでいた
カレンダーを一緒に見ながら会話をし

父の過去と未来と今を
一緒に歩むところから







3月末
お母さんが亡くなる頃の事や
圧迫骨折をしたこと

4月
痛みが強くなって
誕生日間近に入院したこと

5月
49日は3時間外出が認められて
家で法要に立ち合えたこと

納骨に行くために
リハビリを頑張っていたこと

6月
退院したけどお腹が苦しくて
内臓の数値も異常があって
再入院したこと

7月下旬
入院中にコロナに感染したこと



出来事を話すたびに
うん、うん、そうだ、そうだった
ひとつひとつ思い出し
記憶が繋がっていきました

「4ヶ月しか経っとらんかったのか…」

驚いた顔で自分でもカレンダーを 
めくって確認していました


家に帰りたかった大きな理由のひとつ

母の納骨は
父が一番気にしてる事



カレンダーとは別に


用意するものが揃っていることを
一緒に確認したあと
目立つようにマジックで書き添えて
母の側に貼っておきます

忘れてしまったとき
少しでも不安が少なくなるように




今まで自分自身でやってきた
父だからこそ

気になること
気がつくことは沢山あるようで





そのわからない混乱する不安を

こうしてわかる安心に
ひとつひとつ変えていきました







過去の出来事と
未来の大切な予定が理解できて

翌日になっても
混乱は見られなかったので



次は
日々の生活の「今」について




デイに行く日
ヘルパーさんが来てくれる時間
お弁当の配達時間
私がいる日は出かけられること
(体力が落ち足の痛みもあり数十メートル離れたスーパーへの買い物は杖で安全に往復歩ききることが今は難しくなりました。座れるタイプの歩行器使用は拒否しますが、なぜ嫌なのか、なぜ必要なのか、お互いの希望を体験し合いながら形式に囚われず私達にとって必要な形を創り出している最中です)



時間軸を整え
交錯するお互いの気持ちを
理解しあいながら



起きて過ごせるなら
好きな事をしていて良いことも


管理された入院生活で
自分から行動することを
控えていた生活から

本来の希望でもある
自宅で自分らしく過ごすことの
サポートをしていきます











そして父の退院後
まだ自分の予定が立てにくかった頃




私も私らしく

ある日今なら行けるかも…
その気持を大切に
大好きな光の切り絵展へ✨

会場のある愛知県安城市は実家と我が家のどちらから行っても一時間ほどの中間地点にあります




暗幕で閉ざされた部屋に入ると

浮かび上がる
そこにいてくれる作品たち



心の奥底にそっと…

大切に芽生える感情と出逢っていく



優しく温かい世界の中へ

 






部屋へ入った途端、
思いがけず再びあの作品が目に飛び込んできて
胸いっぱいに…


行けて本当によかった😊













今までの事業所の訪問は
30分や1時間などの時間単位の訪問でしたが、

小規模多機能型居宅介護では時間ではなく必要な対応が終われば短時間でも帰られること



当初は短時間であることに
不安を感じたりもしましたが

それも話し合いながら
時間ではなく内容を
体験していくうちに納得できました






沢山語り合って
お互いに出来る事
助けてほしいことをすり合わせ

完璧じゃなくても
大事なことからひとつひとつ
形にしていきました







安心安全に暮らすことは大事だけど

父が父らしく生きられることも

大事にしたい













子どもたちが描く魚たちと





酒井敦美さんが創り出す世界が





重なり合って

それぞれでも
みんなでも

輝いているように✨









これから始まる
未来へ続く いちにち いちにち




共に考え支え合いながら

笑って過ごせるような日々を

創造していきたいと思います😊





ありがとうございます🍀