今あなたは
死ぬ瞬間を迎えています
側にいる私にどうして欲しい?
どんな私でいてほしい?
そんな考えたこともない
思いがけない質問を受けました
戸惑いながら
自分自身に潜り込み
イメージしていく
先週のこと
仕事の昼休憩に入った途端電話が鳴った
母が入所している
特別養護老人ホームからでした
お母様の状態がいつもと違って、、
受診をしようか悩んでいます。と
バイタルは問題なく
発熱と意識が混沌としている
食事は摂れない
何度となく繰り返してきた
今までの症状とは何か違う
もっと重い気がして
受診をすべきか悩んでます
緊急とも言えない
大丈夫とも言えない
受診して入院すれば
思うような面会は出来なくなる
看取りを踏まえた上で
最善の選択を決めかね
相談したいとの連絡だった
ここ数年の間にも
何度も繰り返してきた意識混濁
2年ほど前には
子宮からの出血が続き
子宮がんの可能性を指摘されながら
検査及び治療は本人の体力や
他の身体の状態を考慮して
お勧めしませんとの言葉を受け
どうしたいかを
何度も施設と話し合っていた
コロナ禍の為
入院となれば面会も難しくなる
施設であれば
病院よりは家族との時間を創り出せる
こんな時
何を前提に大切にしているのか
関わってくださるお一人おひとりの
優しさや経験を通した
深い愛を感じずにはいられない
焦った口調だった相談員の方も
私に伝えたことで落ち着かれたのか
施設訪問医に相談して
夕方また電話しますと
その場の電話を終えた
私は勤務中だった
自分のベストを選択して
そのまま勤務を続け連絡を待つことにした
(状況を説明すると周りのスタッフからはリラックスできるような楽しい声かけをしてもらったり、送迎添乗中に電話が入ることを想定して仕事を代わりますと申し出ていただいたり。。一人で抱えず心を満たし目の前の出来ることを大切にして過ごしました)
15時過ぎ
再び電話がなりました
点滴で様子を見ています
水分がわずかに摂れましたと
面会は翌日に
父と一緒に会えることになった
数カ月ぶりの再会
お母さん!
美保だよ、わかる?
そう声をかけても
今までとは明らかに違う
一点を見つめたまま表情は変らない
手を動かしてはいるものの
手を握っても
握り返してくることはなかった
30分ほどの面会中
一度も声を聞くこともなかった
でも母のその瞳を見つめていると
次第に力強さが出てきて
父と私を
認識していることは感じることが出来た
わかる?と聴くと
わずかに頷いてくれた
日によって
体調が良い時は食堂で食べたり
辛そうなときは
ベッドで食事したりしてますが
この半年でベッド上が増えてきています
今後も
発熱や意識混濁を繰り返しながら
少しずつ機能が弱り
その時を迎えることになるかと思います
ご家族として今後の希望はありますか?
その瞬間
心の中に兄を感じながら
母はどうしたいかを感じる
父の想いを聴き気持ちを重ねる
口から食事が摂れなくなり
点滴だけで何ヶ月も過ごすことは
望んでいません
今回のように
少しの点滴で本人の苦痛が取れたり
楽になることは希望します
食事がまた摂れるようになったら
大好きでいつも楽しみにしていた
甘いものを味わってほしい
可能なら
体調の良いとき良いタイミングに
車椅子を父が押して外に出てみたい
(入所する時父が母の車椅子を押してこの建物に入ったことを伝えて)
過度な治療や延命は望みません
そんな経験を握りしめていた私に
今あなたは
死ぬ瞬間を迎えています
側にいる私にどうして欲しい?
どんな私でいてほしい?
その思いがけなかった質問は
私はどうしたいのか
自分の中にある答えに
繋いでくれました
母はどんな私でいて欲しいのか
想いを重ねながら
今日現在食事は摂れています
近いうちに
母の大好きな甘いものを持って会ってきます
出逢えた皆様に
心から感謝を。。
ありがとうございます


