
車で高速1時間の距離にある実家
母の病院付き添い
倒れてから約16年
何度通ってきたのかな
片麻痺で杖をつき
ゆっくりと車から降りて
時間をかけて診察にむかう
その日その日の
体調や混み具合に合わせ
歩いて行けたり
車椅子を使ったり
年末に熱が続き
歩きが更に遅くなり
3週間ほどデイサービスを休んだ
復帰したデイサービスでは
車椅子対応に変わってしまった
あの動きでは
集団生活では
仕方がないって感じます
それでも
色んな方が声をかけてくださり
デイサービスに行くのを
楽しみにしている母です
3週間ぶりにお風呂に入れた時は
「湯船に浸かれて良かったね~」
と話しかけると
涙ぐんで幸せを噛み締めていた母
病院の中を歩くのも
だんだん難しくなって
車椅子での受診が増えてきました
衰えていく母の体力
視力も落ちたのを感じます
事実を受け止める
頭のなかでいろんな事が
駆け巡ります
1年半前に兄を亡くした私
弱る母を眺めていると
ふっと寂しさが込み上げてきます
そんな時に目に入ったのは

母が座る車椅子は
私の母校の小学校から
寄贈されたものでした
ベルマーク
どれ程の人達が
小さなマークを切り取って集めて
学校に届け
そこからまた種類別にわけ
枚数を数え
会社別に封筒にいれる作業
沢山の人と
沢山の時間をかけて
贈られた車椅子
多くの人の愛で贈られた車椅子
人の愛を感じられたとき
人との繋がりを感じられるとき
寂しさは感謝へ変わるのかも
しれませんね

そう
今一緒にいられるこの時間を
幸せな時間にしよう
黙っていると意識もぼ~っとする母に
しっかりとした口調で話しかけると
パッと表情が変わり
かわいい笑顔をみせてくれます
おどけてじゃんけんをしてみると
私の勝ち
今日のお昼御飯は
おかーさんがおごるんだよ~
なんて言うと
困った顔をして手で額を押さえます
手を握ると冷たい冷たい手
さすってさすって温めます
幸せ一杯な顔になり
頭を私にもたれかけてくる
私の名前は~?と聞くと
また困った顔
「み~?」とヒントをいうと
以前は言えましたが
この日は名前も言えませんでした
それでも幸せな顔で
目と目を合わせて
笑顔で過ごせたこの時間は
多くの人達と
繋がっている安心感から
芽生えたもの

私のある日の気持ち
最後まで
お読みくださり
ありがとうございます