「朝が来る」(著/辻村深月)を読みました。
著者の作品は数冊読みましたが、考えてみたら、この著者の作品はどれも新鮮です。
不妊治療の末に、特別養子縁組で子供を授かる40代夫婦と、中学生で妊娠した女性が登場します。
辛い日々を送ることについて、著者の言葉の表現が、全く違う自分の辛かった日々に重なるように響きました。
そして、気になる登場人物が複数登場するものの、何より若い女性が苦しんでいる描写が、とても気の毒でした。
小説の中なんだけれど、
“誰か、助けてよ~!”
と、心で叫んでいました。
助けようとする大人が複数登場するんだけれど、若い女性の心に響かない…。
そうこうする内に、世の中には、簡単に表現すれば悪い人もいるもので…。
少し救いだと思ったことは、一生懸命、辛い現実に向き合ってきた人は、別の辛さを抱える誰かに対して、優しくなれるのかもしれない、と思えたことです。
少なくとも、そこに気付けるのかもしれない、と。
また、この著者の本は、読んでいきたいと思いました。
少し、余韻に浸った後で、映像化されたものは観てみたいと思います。