新潟県糸魚川市で
大規模な火災がありました。
クリスマス、お正月を目前に
家財を失った皆様のお気持ちを思うと
言葉が見つかりません。
僕は
火事・・・という言葉を聞くたびに
心がざわつく、古い記憶があります。
とは言え、
ほとんどの内容は、
後で両親から聞いたことばかりなのですが。
故郷の、田舎の家に住んでいた、
僕が小学2年生の冬。
テレビが「今季1番の冷え込み」と言い、
いつもは閉めない襖まで、キッチリと閉めて眠った深夜、
裏のお宅が火事になりました。
裏、と言っても、ごく近接していて、
小さな裏庭を挟んで、すぐそこに密着してあるお宅でした。
深夜のことで、両親が気づいた時には
もう真っ赤に燃え上がっていたそうで、
僕と兄は必死の父にたたき起こされ、
母に手を引かれて、
少し先の祖父母の家に走って逃げました。
アスファルトの道に、しんしんと雪の降る夜でした。
我が家が燃えるのも時間の問題だと、
ご近所の皆さんが力を貸してくださって、
可能な限りの家財を運び出してくれたそうです。
その我が家が、熱で窓ガラスが割れただけで済んだのは、
燃えたお宅が平屋建てだったこと、
そしてその夜、全く風がなかったこと。
ちょうど今回とは真逆の状態で、
炎も煙も、まっすぐに立ち上ったということでした。
これは奇跡だと、皆さんがおっしゃったそうです。
裏のお宅には、同級生の女の子がいました。
くりくりした目の可愛い、とても明るい子でした。
その夜、眠ったままで亡くなりました。
わずか19人の学年の
大切な1人が欠けてしまった火災でした。
今回、
激しい風がこれほどの大火の原因になったこと、
本当に胸が痛みます。
それでも、どなたも命を落とされることなく済んだのは、
不幸中の幸いでした。
どうか皆様が1日も早く落ち着かれ
痛手から立ち直られますよう、
お祈りするばかりです。