高解像度のパソコンを使っていると、古いソフトの文字が小さすぎたり、画面上のボタンなどの部品(専門用語ではコントロールと言います)の配置がおかしかったりすることがあります。
今までそれを確実に治す方法が見つからなかったんだけど(偶然的にひょっこり治す方法はあった)、今日それを治す方法をとうとう見つけたので、今日のブログは備忘録的に書いておくことにします。
【注意】
ただし、画面キャプチャをするようなソフトでは、未だに不具合が出ます。一応の回避策みたいなのはありますが(後述)、完全なる解決法は見いだせていません。
画面をキャプチャするようなことさえしなければ、以下の方法は有効なようです。
■私のパソコン環境(つまり今回の現象が起きた環境ですね。)
・ノートパソコンです。CPUなどは今回の現象や治すのには関係ないので、シンプルにするため書きません。
・Windows10 Home(現在のバージョンは1803(実はこれが重要)、OSビルドは17134.81)
(ここで「現在は」と書いたのには、大きな理由があります。それは後ほど。)
・ 最大の画面解像度:3840×2160
(これだけ大きな解像度を持つノートパソコンは、今販売されているパソコンでもまだ少ないと思われます。)
■現象
まず、そもそもこれがどういう現象なのかをご説明します。
わりと古いソフトで、高解像度(高DPI)に対応していないソフトで起きる現象です。
高解像度のパソコンを使っていると、古いソフトの文字が小さすぎたり、画面上のボタンなどの部品(コントロール)の大きさや配置がおかしかったりすることがあります。
・HyperSnapの不具合
今回は画面をキャプチャする時に使うHyperSnapというソフトでご説明します。
次の図をごらんださい。
この図では、比較のため、Word 2016の手前にHyperSnapをウインドウ表示しています。
Word 2016で表示されているアイコンの大きさは標準なのですが、一方のHyperSnapに表示されているアイコンは異常に小さくて、よく見えません。
HyperSnapが古くて高解像度に対応していないため、高解像度ではこのように文字やアイコンがやたらに小さくなってしまうのです。
次の図は、これを改善した後の状態です。
もう一つ、ボタンなどの表示がおかしい場合もご紹介します。
・LogoVista PRO 2015 という英日翻訳ソフトの場合の不具合
LogoVista PRO 2015 の対訳翻訳を起動すると、高解像度ディスプレイでは次のような表示になってしまいます。
画像を見ると、全体的に文字が小さいだけではなく、ウインドウの真ん中の[日本語から英語]というボタンや[一般]というボタンの文字がボタンからはみ出して変な表示になっていることがわかると思います。おそらく表示される予定のフォントとボタンの比率が変になってしまったものと思われます。
これを以下で紹介する設定をしてやると、次のようにきれいな表示に治ります。
どうでしょうか?
同じソフトなのに、設定によってこんなに違ってしまうわけです。
■改善方法
*Windows10 のバージョンが1803以降であることが必須。
【注意1】
しつこいようですが、画面キャプチャをするようなソフトでは、未だに不具合が出ます。解決法は見いだせていません。
下でご紹介する設定内容を設定してしまうと、画面をキャプチャしたときにキャプチャする画面自体が拡大されてしまいます。このため、思ったようなキャプチャができなくなります。
(例)全画面キャプチャをしたとき、全画面ではなく、左上の一部の領域しかキャプチャできない(たぶん解像度の関係で)。
ただし以下の設定を施した状態でもなんとかキャプチャする方法は見つけたので、後でご紹介します。
画面をキャプチャする必要さえなければ、以下の方法は有効なようです。
【注意2】
以下で紹介する方法は、Windows10 のバージョンが1803以降でないと上手くいかないようです。
Windows10 バージョン1803ではじめて追加された機能を使うと上手く改善できるようです。
それ以前のバージョンにおける改善方法はすでに他の多くのサイトで紹介されてはいるのですが、私の環境ではその方法を試しても結局治ることはなかったのです。しかしバージョン1803になって新しい設定項目がいくつか追加され、それを使ってみたら治ったということです。
●設定の流れ
設定は2段階です。
大まかな流れ(手順)は次のようになります。
(1)ディスプレイ設定を変更する。
(2)各アプリケーションの互換性の設定を変更する
●手順1:ディスプレイ設定を変更する。
(1)まず、ディスプレイ設定を表示します。その方法は、Windows10(バージョン1803以降)のデスクトップで右クリックし、そのとき表示されるショートカットメニューで[ディスプレイ設定]をクリックします。
(2)ディスプレイ設定は次のような画面です。
図のように、この画面で解像度を確認することができます。
ここでは、真ん中へんにある「表示スケールの詳細設定」をクリックしてください。
(3)すると今度は、「表示スケールの詳細設定」という画面が開きます。
ここで、[アプリが鮮明に表示されるようにWindowsにより修正を試す]という設定をオンに変更します。
(*この項目は、Windows10 バージョン1803以降でないと表示されません。)
これが終わったら画面を閉じ、次の「手順2」を実行してください。
●手順2:各アプリケーションの互換性の設定を変更する
【注意】設定変更には管理者権限が必要になることがあります。
ここで紹介する方法は、表示がおかしくなっている古いソフトそれぞれで行う必要があります。
また、ソフトのショートカットのプロパティから変更することもできるようですが、私は念のため、ソフトの実行ファイルそのものからプロパティを開き、設定を変更しています。
ソフトの実行ファイルそのものからプロパティ設定を変更するメリットは、その実行ファイルを含め、実行ファイルのショーカットについても自動的にその設定が有効になるので、一度に設定が済むということです。(この場合、なぜかショートカットの方のプロパティを見ても、実行ファイルの方で変更した設定の変更は反映されていないように見えるので注意してください。でも実行ファイルの方で設定されているので、その設定はショートカットでも有効に働きます。)
上記どちらの方法を使うかはお好みでお願いします。
以下では、実行ファイルのプロパティを直接変更する方法をご紹介します。
(1)エクスプローラでソフトの実行ファイルを右クリックし、そのとき表示されるショートカットメニューから[プロパティ]をクリックします。
(補足:実行ファイルの位置を一発で探すには)
デスクトップなどに表示されているアイコンはふつうはショートカットです。ショートカットから、実行ファイルの場所を一発で表示する方法があります。
ショートカットを右クリックするとショートカットメニューが表示されますが、その中に[ファイルの場所を開く]という項目があるので、それをクリックすると、エクスプローラが実行ファイルのフォルダを表示し、さらに実行ファイルを反転させて示してくれます。
(補足終わり)
(2)すると、図のようなプロパティのダイアログボックスが表示されます。ここで、[互換性]タブをクリックすると、図のような表示になります。
(3)このダイアログボックスにある[高DPI設定の変更]ボタンを使用しても良いのですが、ほかのユーザーが使うときも同じ設定をしておいた方が便利なので、私はここでは設定はせず、一番下の[すべてのユーザーの設定を変更]の方をクリックしてそちらで設定するようにしています(これもお好みで)。
なお、古いソフトほど高解像度の影響を受けるので、このダイアログボックスで、念のため、一度[互換性のトラブルシューティングツールの実行]をクリックして互換性ある設定を調べておくことをおすすめします(次の(4)のダイアログではこのボタンは表示されませんので、この段階で行います)。
ソフトによっては「Windows7」だったり「WindowsXP」だったりするので、確かめておきましょう。
(4)(3)で[すべてのユーザーの設定を変更]をクリックすると、[すべてのユーザーの互換性]というタブが表示されたダイアログボックスが表示されます。
*もし(3)の段階で互換性を調べていたら、このダイアログでも[互換性モードでこのプログラムを実行する]にチェックを入れ、互換性のあるOS(Windows7とかWindowsXPとか)を指定しておきましょう。
残念ながら(3)のダイアログで用意されている互換性のトラブルシューティングツールは、こちらの[すべてのユーザーの互換性]ダイアログの設定は自動では変えてくれないようです。なので、ここで手動で変更しておくというわけです。
次に、[高DPI設定の変更]ボタンをクリックします。
(5)すると今度は次の図のような[このプログラムの高DPI設定を選択します。]というダイアログボックスが表示されます。
【注意】このダイアログボックスも、Windows10 バージョン1803以降でないと、このように表示されないようです。
このダイアログボックスではまず、[プログラムDPI]グループの[[設定]での指定ではなくこの設定を利用して、(以下略)]という部分にチェックを入れます。
するとダイアログ真ん中あたりの[次の場合、メインディスプレイに設定されているDPIを設定する]という項目が選択できるようになるので、ここでは[このプログラムを開いたとき]を選択します。
続いて、[高DPIスケール設定の上書き]グループにある[高いDPIスケールの動作を上書きします。]という項目にチェックを入れます。
すると[拡大縮小の実行先:]という部分が選択可能になるので、[アプリケーション]以外を選択します。つまり、ここでは[システム]または[システム(拡張)]を選択してください。
【注】ここで[アプリケーション]を選択しても、表示の問題は治りません。
後はダイアログをすべて閉じてください。
(6)最後に、実際にソフトを起動してみて、表示の問題が治っていることを確認してください。
■その他:表示設定変更後のHyperSnapのキャプチャをどうにかならないか模索中
HyperSnapのような画像編集ソフトを使って画面キャプチャソフトを行う予定があるときは、上記の設定はおすすめできません。
上記の設定をやってしまうと、キャプチャ領域がおかしくなり、正常なキャプチャができなくなるようです。
このため、HyperSnapだけは今まで通りの表示で我慢するしかないと思いましたが、いろいろ調べてみた結果、実は「PriScVista」というキャプチャソフトをつかうと、上記の設定をしてもなんとか正常にキャプチャした上で画像編集まで続けていけるようになることがわかりました。
・PriScVista(窓の杜、フリーソフト)
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/priscvista/
PriScVistaは画面キャプチャ専用のソフトで、キャプチャしたとき、その画像をクリップボードを保存した後、自動的にあらかじめ指定した画像編集ソフトを起動して、そのソフトに画像を渡すことができます。
この機能を利用すれば、
・PriScVistaでキャプチャしておいてHyperSnapを自動的に起動し・・・
・その画像を表示した状態でHyperSnapが表示されるので、そのまま画像編集をする
という連携が可能になるのです。
これにより、上記設定でHyperSnapを正常表示させたまま、キャプチャ画像を自動で受け取って編集できるというわけです。
ただし・・・
PriScVistaは、キャプチャ専用の割には残念ながらキャプチャ機能がかなり貧弱です。
HyperSnapであれば、たとえばアプリケーションやブラウザ画面でページを縦スクロールしながらのキャプチャという技ができます。
ブラウザで表示したページが縦に長いページでも、スクロールしながらのキャプチャですべてを1枚の画像としてキャプチャできるわけです。
そのほかにも、HyperSnapには他にはないようなバラエティ豊かな画面キャプチャの方法が多数用意されています。
このため私はHyperSnapは手放せないものになっています。
しかし、PriScVistaにはそのような便利なキャプチャ機能はありません。全画面やアクティブウインドウなどの基本的なキャプチャしかできません。
このため私は今後、HyperSnapで表示もキャプチャも正常にできる設定を模索するとともに、PriScVistaのようにキャプチャしたデータを他のソフトに送って起動するような機能がある別のソフトを探してみようかと思っています。