11/22 | 怪談サークル とうもろこしの会

11/22

何度も失敗していたラー油作りに再挑戦する。

もう一度『鉄鍋のジャン!』を読み返してみる限り
僕の失敗した要因は二つあった。

1.鷹の爪と、生の青とうがらしを使っていたこと
確かに『鉄鍋のジャン!』の黄蘭青も、生と乾燥の青唐辛子を使ってラー油を作っていたが
やはりオーソドックスに辣粉(ラーフェン・粉唐辛子)から作るべきだったのだ。

2.なんの香りづけもしていなかった。
中華料理は油を味わうもの、と『鉄鍋のジャン!』の後書きにも書いてある通り
油を作るなら油にスパイスなどで香りをつけなくてはならないだろう。

そこでまず100均で一味唐辛子パックを買ってくる。
本来なら近所の新大久保でキムチ用辣粉(『鉄鍋のジャン!』でジャンが辛くないラー油を作っていた材料)
を買ってくればいいのだが、いかんせん貯金が底を尽きかけているので贅沢はできない。
あくまでも「市販品より安く作る」がコンセプトだからだ。
趣味として贅沢に作るのではなく、必要に迫られた節約、だということを忘れてはならない。

『鉄鍋のジャン!』とネットを参考にしてレシピを考える。


一味唐辛子の粉を、余ったネギの青い部分と生姜のカケラをもみ込んだ水40ccで混ぜる。
そこに黒ゴマを足す。

手についた唐辛子やネギ生姜は、冷蔵庫の塩漬け鶏ムネ肉をフキン代わりにして拭く。
こうすれば、貯蔵用の塩漬け鶏ムネ肉にも香りが染み込むって寸法だ。
出来る男にはムダがない。


さらにゴマ油1:サラダ油3くらいの比率で、そこそこ大量の油を熱する。
本来ならゴマ油オンリーが良いのだが、どうせ熱すれば風味は飛ぶのだから、高価なゴマ油を消費する訳にはいかない。
200度を超えたと目分量で見極めたら、①にぶっかける。
シュワシュワと泡立つ。
やった!
ついにちゃんとしたラー油作りっぽい感じ!
『鉄鍋のジャン!』で言うところの「完璧に出来た時に水蒸気が爆発するゲップ」は出なかったが
まあ作った分量が少なかったからということもあるだろう。


また少量のサラダ油を熱して、ネギの薄切りと花椒、丸のままの赤唐辛子を足す。
ハッカク、桂皮、陳皮なども入れたいのだが、家に無いので仕方ない。あくまで余り物だけで作るのよ。
ネギだけは早めに入れて焦がすが
他の材料は焦げる前の低温で火を止め、②に足す。
本当はザルなどで濾した方がいいのだが
長く漬けているうちに味がしみだすのを期待するのと
勿体ないから一緒に食べればいいじゃないという気持ちから
そのまま材料ごと投入してしまった。
非常に貧乏くさいが、言いかえれば台所の隅に残ったもので最善の結果を出す、出来る男の一工夫だ。

最後の香りづけに、ゴマ油を少量入れる。

なんにせよ、一味唐辛子105円、油と余り物を足しても100円ちょい。
多めに見ても合計250円ほどで、市販のラー油の3倍以上の量は作れた計算である。

出来あがった後にちょっと舐めてみたが、やはり今までで一番味は良いように思えた。
半分以上は「これくらいやったんだから少しは美味しくなれよ」というプラシーボなのだろうが。

そして最終段階、食卓で食べるコツとしては
『鉄鍋のジャン!』を読みながら、ほわわあああ~!という大谷日堂っぽい表情をすれば
暗示効果で美味しく味わうことが出来るのである。