10/22その1
一夜明けて、玉川温泉の岩盤浴に向かう。
北投石というラジウムを含む岩肌が近くにさらけ出されており、下を通る温泉の地熱で温まるという寸法だ。
「放射能は微量なら体にいい」と主張するホルミシス効果を期待して
ガン治療を行うために、ここを訪れる人は多い。
またこの北投石、台湾・台北市・北投区と玉川温泉にしか存在しないらしく
一発儲けてやろうと盗掘する輩が後を絶たない。
「ハンマーの音が聞こえたら、夜中でもすぐに知らせてください」
事務所のオジさんにもそう念を押されたほどだ。
さて、衛生第一の玉川温泉であるから、当然、貴重な岩にそのまま寝転ぶ訳にはいかない。
各自、売店にて新品のゴザを買うことを義務付けられている。

一番安い薄手のもので800円。高いのだと1500円のものもある。
また岩盤浴では汗だくになるため、一度使ったゴザは旅館内に持ち込んではならない。
売店下に専用のゴザ・毛布置き場が備え付けられている。
なんだかスキー場の板置き場を思わせる。
肝心の岩盤浴広場だが、やはり撮影は固く禁じられていた。
時々観光バスでやってきたとおぼしきオバさんたちがカメラを向けては、ガイドが慌てて止めているのが目に入る。
画像を検索すれば簡単に景色を確認することも出来るが、個人がギリギリ撮影できるのはこの辺りまでだった。

熱をこもらせる蒸かし小屋が3つ用意されていて、その中に10人ほどが寝転んでいる。
入り口からはずらりラーメン屋のごとき順番待ちの行列が。
僕も少し中に入ってみたが、待ってる人たちへのプレッシャーから、いたたまれず5分ほどで出る。
外では、小屋に入りきらない人達が何十人も、思い思いの岩場に寝転んでいる。
確かに触ってみると、温かくなっている場所もちらほらとあるので、そこにゴザをしいているのだ。
いずれにしろ、寝袋や毛布がなくては寒いことには変わりないけど。
ここで汗だくになるには、かなりの重装備が必要である。
見渡す限り、草木の一本も生えていない岩場から、モクモクと膨大な量の煙が昇っている。
場所によっては笛吹きヤカンのように甲高い音をたてて勢いよく噴出されるところもある。
山の上なので日差しも強く、強烈な太陽光が煙にすかされて不思議な具合の光になって
数え切れない老人たちがパラソルなどたてながら寝転んでいるのを照らしている。
なんだか悪夢のような風景。
近くでは初老の男が
「もう14年の間、一年の三分の一はここに通ってる。それで三回もガンを治した」
と力説していた。
せっかくなので、玉川の水をお土産に買う。
これを飲むことで重病を治そうとする人も多いようだ。
売店の人には「飲むものじゃない」とも言われたが。
「すごく薄めて飲めば、胃腸にはまあ、効くかもしれないけど」
しかし5ℓ、10ℓのパックはまだしも
1ℓ単位のバラで売っているものに関しては、飲むしか用途は思いつかない。
ちなみに僕が買ったのは1ℓ、300円

いつか、罰ゲームか、泥棒の顔にぶちまける防犯グッズとして使おうと思っている。
北投石というラジウムを含む岩肌が近くにさらけ出されており、下を通る温泉の地熱で温まるという寸法だ。
「放射能は微量なら体にいい」と主張するホルミシス効果を期待して
ガン治療を行うために、ここを訪れる人は多い。
またこの北投石、台湾・台北市・北投区と玉川温泉にしか存在しないらしく
一発儲けてやろうと盗掘する輩が後を絶たない。
「ハンマーの音が聞こえたら、夜中でもすぐに知らせてください」
事務所のオジさんにもそう念を押されたほどだ。
さて、衛生第一の玉川温泉であるから、当然、貴重な岩にそのまま寝転ぶ訳にはいかない。
各自、売店にて新品のゴザを買うことを義務付けられている。

一番安い薄手のもので800円。高いのだと1500円のものもある。
また岩盤浴では汗だくになるため、一度使ったゴザは旅館内に持ち込んではならない。
売店下に専用のゴザ・毛布置き場が備え付けられている。
なんだかスキー場の板置き場を思わせる。
肝心の岩盤浴広場だが、やはり撮影は固く禁じられていた。
時々観光バスでやってきたとおぼしきオバさんたちがカメラを向けては、ガイドが慌てて止めているのが目に入る。
画像を検索すれば簡単に景色を確認することも出来るが、個人がギリギリ撮影できるのはこの辺りまでだった。

熱をこもらせる蒸かし小屋が3つ用意されていて、その中に10人ほどが寝転んでいる。
入り口からはずらりラーメン屋のごとき順番待ちの行列が。
僕も少し中に入ってみたが、待ってる人たちへのプレッシャーから、いたたまれず5分ほどで出る。
外では、小屋に入りきらない人達が何十人も、思い思いの岩場に寝転んでいる。
確かに触ってみると、温かくなっている場所もちらほらとあるので、そこにゴザをしいているのだ。
いずれにしろ、寝袋や毛布がなくては寒いことには変わりないけど。
ここで汗だくになるには、かなりの重装備が必要である。
見渡す限り、草木の一本も生えていない岩場から、モクモクと膨大な量の煙が昇っている。
場所によっては笛吹きヤカンのように甲高い音をたてて勢いよく噴出されるところもある。
山の上なので日差しも強く、強烈な太陽光が煙にすかされて不思議な具合の光になって
数え切れない老人たちがパラソルなどたてながら寝転んでいるのを照らしている。
なんだか悪夢のような風景。
近くでは初老の男が
「もう14年の間、一年の三分の一はここに通ってる。それで三回もガンを治した」
と力説していた。
せっかくなので、玉川の水をお土産に買う。
これを飲むことで重病を治そうとする人も多いようだ。
売店の人には「飲むものじゃない」とも言われたが。
「すごく薄めて飲めば、胃腸にはまあ、効くかもしれないけど」
しかし5ℓ、10ℓのパックはまだしも
1ℓ単位のバラで売っているものに関しては、飲むしか用途は思いつかない。
ちなみに僕が買ったのは1ℓ、300円

いつか、罰ゲームか、泥棒の顔にぶちまける防犯グッズとして使おうと思っている。