オルグ | 怪談サークル とうもろこしの会

オルグ


とうもろこしの会がお世話になっているファンキー中村氏が

「草彅剛を現場復帰させるぞ!」

という運動を開始したという。



普段の僕は政治的・非政治的に関わらず、またその主旨に共感するしないに関わらず、特定の理念をもった団体活動というものからは距離を置くようにしていた。

だが、今回の活動主旨には、個人的に思うところもあり、かつ自らの歴史に密着した出来事であると判断したため、オルグを決意した。

これは僕自身としては全く例外的な行動であり、更にとうもろこしの会の活動とは一切関係ない事実を注釈しておく。
さて、やはり運動への参加にあたっては、決意表明というか宣言書のようなものを提出しなければいけないらしい。

筆不精な自分ではあるが、活動の主旨に共感した上でのオルグであるのだから、その意思を文章で綴ることにさほど労苦は感じなかった。

そうして書かれたのが、以下の文章である。

正確に言うと「100文字以内」という制限にひっかかったため、ここから大意のみを削らざるを得なかった。

駄文ではあっても腹を痛めた我が子のような宣言を削るのも惜しく、また、自らの思想をより誤解なく世間へと喧伝させておきたい。

そのような事情から、以下に全文を掲載をしておこうと思いいたった次第である。




拝啓



桜の花も散り終わり、新緑の眩しい季節へと移りゆくのを感じる今日この頃。

いかがお過ごしでしょうか。



草なぎ(←変換されません)さんの今回の件については、私もビックリしました。


思い起こせば、彼と私とは因縁浅からぬ関係だったとも言えるのです。

今でこそ松尾貴史(元・キッチュ)だの錣山親方(元・寺尾)だのにソックリだともっぱらの評判の僕ですが、もっと若い頃には、誰あろう草なぎ剛に似ていると言われていた時期もあったのです。7年ほど前、小田急線でメガネを外して寝ていたら、川崎あたりの頭の悪そうな女子中学生グループから「やべー!草なぎクンも電車乗るんだ!チョー庶民的!」と小声で騒がれた経験も、今となっては良い思い出です。

ただ、彼の顔も今よりもうちょっとキモかったので、知り合い達は半分悪口として僕をからかっていた節もあったのです。もちろん僕はジャニーズの人に似ているということで気を良くしてはいました。しかし飲み会の時、数人の悪友が興が乗ったのか、僕が草なぎっぽいと連呼し続けたところ、一人の正義感の強い女の子が「やめなよ!そういう人が傷つくこと言うの!」と本気で怒ったという一幕があり、少し複雑な気分になったのを覚えています。


そんな彼ですから、今回の事件には僕もたいへん胸を痛めているのです。


もちろん事件自体は非難されるべき事であります。

しかし、僕には彼が悪人であるとは、どうしても思えないのです。誤解を恐れずに正直なところを言いますと、むしろ今回の件で、彼のことを大好きになってしまいました。私は窪塚くん(現・卍LINE)がずっと嫌いだったのですが、彼がマンションから飛び降り、かつ割と大怪我もしなかったという事件を起こした途端に大好きになったという経緯がありまして、その心持ちと似ているかもしれません。


今回の件にしても、昔の芸人なら逆に讃えられる部類のエピソードではないでしょうか。横山やすしなど、あれだけ数え切れないほど暴力沙汰を起こした末に参院選に出馬しておりますし、少女売春や出版社への襲撃をしたって芸人なら県知事になれるのです。

確かに近所の人は怖かったでしょうから、反省すべきなのは間違いありません。さらに個人的な事を付け加えるなら、あそこは僕がよくお弁当を食べる公園でした。この場所に裸の男が寝転んだなどと考えると、楽しいランチタイムに陰が落ちてしまいます。そんな、公共の福祉に反した罪も問わざるを得ないと言えなくもないでしょうか。もし今後、お弁当にポークビッツが入ってたりなどしたら、彼のチョナンカンってこんな感じなのかな……を想像してしまって食欲減退する可能性だって拭えません(もしかしたら丸大ギフトハム級かもしれませんが、と言い添えておきます)。


それらを踏まえた上での今後の進退ですが、引退は考えないで頂きたいですね。

確かに地デジのキャンペーンは降ろされても仕方ないでしょう。しかし地デジ嫌いの僕としては、怒り狂った鳩山さんを見ながら胸のすく思いでした。もしかしたら、テレビ界の腐敗や天下りなどに心を痛めた彼が、地デジの普及を阻止するためにとった自爆テロ行為なのでは……というのは考えすぎでしょうか。

しかし、ベストジーニストなのに「裸でいてどこが悪い!」は頂けません。もう受賞することは無いでしょうし、受賞すべきでもないでしょうね。逆にベストメガネドレッサーを受賞したら、「裸にメガネ」好きの腐女子層を開拓できて、いいかもしれませんが。


どちらにしろ過去の功績云々より、役者やタレントとしての幅と凄みを増す経験だったと思うので、引退は絶対に勿体ないです。特に中年以降の男優なんて、軽犯罪くらいは犯してナンボなところもあるんじゃないでしょうか。Vシネでもなんでも出るべきだと思います。清水健太郎も木村一八も、あの人生あってこその演技でしょう。まあVシネも縮小傾向にある昨今、それすら厳しいという意見もあるでしょう。


いや、それこそ地上デジタルの多チャンネル化時代を利用して、どこぞの旅チャンネルで居酒屋紀行などをすればいいのではないでしょうか。笑福亭鶴瓶と浅草キッドの玉袋と3人で。カメラが回ってようがお構いなしでベロベロに酔っ払ってしまう人たちと一緒なら、いくら飲んでもそれほど酔ったようには見えないかもしれません。


私個人としましては、このような考えを持っていることを宣言いたします。もし可能であれば以上の意見を、ジャニーズ事務所代表としてテレビに出ていた、あの社史編纂室にいそうなお爺さんに提言書として提出しようかとも考えております。



陽の光が強くなり、一足早く初夏の気配も漂ってきました。

突然の暑さに鬼の撹乱などとならぬよう、お体ご自愛くださいませ。




敬具