鳩 | 怪談サークル とうもろこしの会


最近、お昼は公園でお弁当を食べるようにしている。

もちろん手作りだ。自分で自分のために心をこめて作った愛自分弁当である。

最初のうちは、野良猫たちが喉を鳴らしながら文字通りの猫なで声を出してすり寄ってくるような心温まる光景もあったのだが、僕が余裕のない甲高い金きり声で威嚇し続けているうちに、だんだんと目もくれなくなっていった。僕だって生きるのに精一杯なんだ。

だけどさあ、あの、鳩。そう、鳩。

あの鳥類最低かつ路上最低生物の不気味さといったらなんなの?人が弁当を出すやいなや、さっそく首を前後に振りながら死んだ目で近づいてくる、あの飯を与えられるのがさも当然です的な表情というか「はいはい、食べ物ね、さっさと投げなよホラ、なにモタモタしてんの?」みたいな態度はなに?どんなに追っ払っても追っ払っても、ショルダーバッグをモーニングスターばりに振り回して攻撃しても、数秒後にはそ知らぬ顔で食い物をねだりに来るんだよ。マジで3歩あるいたら自分が攻撃されたこと忘れてるよアイツら。超怖いんだけど。まだ、明らかに嘘なのがバレバレだけど媚びてくる猫の方が、やりたいことが伝わるだけマシ。どうも昔から新宿と渋谷の鳩はふてぶてしすぎると思ってたけど、何かあるのか?鳩の駆除に関してだけは、石原慎太郎を僕は支持する!

とりあえず、公園で鳩に餌を与える人間など見つけた日には、金属質の奇声をあげて怯えさせてやる僕だ。