不通2
相変わらずインターネットが出来なくて苛々極まりない。
ネットが出来ないことがこんなに苦痛だとは。大体、この東京の片隅でちまちまとバイトにいそしんで、コソコソとブログに世迷い言を書いて、ネチネチと音声レコーダーに恨みつらみを収録し続ける僕なんか、本当の自分ではないのに。ネットが無いせいで24時間ずっと、そんな仮の姿でい続けなくてはならないという理不尽で不条理な事態に陥ってしまっているのだからたまらない。本当の俺を返せ!ネット雀荘・東風荘にレモンライムというハンドルネームで入り浸っては異常に早切りに対して過敏で相手の切るのが0.5秒でも遅いと「はや」「?」「おそ」「おちた?」などと病的に神経質な書き込みを連打する、という真の姿を返せ!すっぱい打法でドラドラバンバン!のレモンライムこそが俺の本当の名前なのに!
とまあ、もう3日もログインしてなくてフラストレーション溜まりまくり状態を何とかするべく、新宿の街に繰り出して、僕のお決まりのストレス解消法である「アタック&アポロジャイズ」を敢行することにした。これは街中によくいる、余所見しながら歩く田舎者や、傘をブンブン振り回すならず者を利用した、僕独自のリラクゼーションだ。まず、それら周りを一切気にしていない低脳クンたちの傍にそっと近づき、わざと肩や傘に思い切りぶつかる。もちろん彼らは不意をつかれて驚いたり、場合によっては咄嗟に謝ろうとしてくるが、その隙を与えずいきなり「すいません!すいません!」とこちらから大声で謝る。「すいません!あなたが余所見していたのにキチンとよけなかった僕が全部悪いんです!」みたいなニュアンスで、あくまで自分が悪いんです、とひたすら謝り続る。たいていの人は自分が余所見したからぶつかったのを理解するものなので「いや、自分が悪いんだけど……」みたいな居心地の悪い感情を覚える。が、僕が文句を言っているのならともかくひたすら謝るだけなので、どう対処していいか判らない。この「全然悪くないのに誤っている自分」と「悪いと思っているのに謝られ続けて居心地が悪い相手」という関係性が、背筋がゾクゾクするほど凄い快感を呼ぶのである。お試しあれ。
追記:今朝アタック&アポロジャイズした相手は中国の人だったけど、あの人たちって驚いた時に「アイヤー」ってホントに言うんだね。