遅刻と墓
あるところに大遅刻をした。友達関係ではなく仕事関係だったのでけっこう問題の遅刻だったのだが、しれっとした顔をしてたら全く怒られずに済んだ。どうやら同じ仕事関係で他の用事をこなしてきた後だと思われているようだ。そんなこと一言も言ってないのに。ただ本当に何の言い訳もせずに「おはようございまーす」といつもどおりに挨拶しながら来たもんだから、まさかここまでの大遅刻をしてそんな平気に挨拶する筈がない、ああこれは遅刻じゃなくて予定通りにこの時間なんだな、という思考が働いたのだろう。もうちょっと人を疑うことを覚えた方がいい。そして、こういうやり口が巧みになってきた自分を大人になりつつあると感じる。
その前日、伊勢原に墓参りに行った。家族の墓ではない。恋人の墓でもない。ヨセフの墓だ。ヨセフというのは、あのヤコブの子のヨセフの墓である。NURの永田さんと二人で車を飛ばして向かったのだが、異常なまでに迷った。なにしろ町おこしや観光目的で作った墓ではなく、そもそも誰が作ったとかがない墓なので、何も目印となるものがないのだ。ちょっとここでは書けないような数々の困難と探索を重ねる僕たち。地元の人々への聞き込みも「そんな冷たくされたの生れて初めてだよ!」くらいに上手くいかず、ちょっと伊勢原市の人たちを嫌いになりそうになった(優しくしてくれた人もいた)。そんなこんなの後、ついにヨセフの墓を発見!それがどんな墓だったのかは、ちょっとここでは書けない。とぼとぼと家に帰った僕は、さんざんに酒をあおり、次の朝はここ数年で一番くらいの二日酔いになり、そして大遅刻をやらかしたという訳だ。