けんけつちゃん
ゴム人間発祥の地である明治神宮の近くを通っていたら
鳥居の前の広場にて、奇妙な人だかりを見かける。
どうやら、“赤十字”という秘密結社の手によって
大掛かりな血の儀式が行われているようだ。
カルナバル・デ・サングレ(血の謝肉祭)
バンパイア好きの僕としては、探索しない手はない。
そこで、こっそり彼らに接触してみたところ、なんと。
今まで文献でしか見たことのない怪物
“けんけつちゃん”
の生きている姿を遂に目撃することが出来たのだ。
この禍々しい生物は、頭の両端に巨大な血の一滴を角のごとく生やし、その頭部と比してほぼ同じ質量の胴の中には種々雑多な人々から集められたそれぞれの血を冒涜するかのように一滴の塊として混ざり尽くしている。
それは決して飽くことを知らず、ただひたすら全ての人全ての型の血液を望んでは、おぞましくも残虐な語尾によって、我々にその血を供物として捧げることを呼びかけ続けるのだ。
“っ血”

そしてケータイを向けたらちゃんとポーズをとってくれるという、優しくてお茶目な一面もあるようである。