企画会議1
知り合いが、ロンブーの狩野英孝を騙す3時間スペシャルを見た感想として“淳の「人を操れると思ってる」様が最近怖い”と言っていた。
確かにな、と思った。
副会長と酒を飲みながら、どのマンガを原作にTVドラマを作るのが売れるかを議論する。今こう書いてみると、お互いもうとっくにいい歳をしているのにレベルの低い与太話をしているものだとも思えるが、これが与太話ならまだしも、実は仕事として真剣に企画を立てようと話し合っているのだから、なお一層、始末が悪いようにも思える。
ましてや企画が通って仕事になるメドなど、一切ないのに。
最近の僕はマンガといえばビッグコミックオリジナルだと思っているので、その中のどれかがいいのではと提案する。『釣りバカ日誌』なんか、長く続いているし固定ファンも多いだろう。浜崎夫婦=渡辺徹・榊原郁恵、スーさん=石丸謙二郎、佐々木さん=桜金造、コイタロー=柳楽優弥、で、どうだ!とキャスティングまでしたのに「若者へのヒキが弱い」ということで没に。
次に『玄人(プロ)のひとりごと』にしようと提案。年末恒例の一年を振り返る駄洒落マージャン大会を12年分ドラマ化すれば南倍南の役はどうしても適当な俳優が思い浮かばないので、「俺がやるからいいですよ」という事にした。そして年末恒例の一年を振り返る駄洒落マージャン大会を12年分ドラマ化すれば、大河ドラマ的な要素も出来る。ヒット間違いないだろう。しかし、途中で副会長が「くろうとのひとりごと」などと口走ったため「けっ、ドシロートが!」とツッコんだら、「いや、知らないのは仕方ないと思うけど……」と本気でムカつかれ、かなり空気が悪くなったため、なんとなく企画が自然消滅してしまった。
このままでは何の成果も上がらないまま、企画会議が終ってしまう。どうしよう。
(続く)