中日・宙組「仮面のロマネスク」書きなぐり感想の続き。
すみ花ちゃんのメルトゥイユ夫人、素晴らしかったですね
諸悪の根源、希代の悪女。
単に悪女というより貴族社会の芳しき腐臭が彼女の強烈な自我に凝って、世にも妖艶な「悪女」が出来ました、って感じ。
感性の豊かな聡明な一人の少女が年端もいかない結婚をして、自分の心を守るためには仮面をつけて闘わざるを得なかった、というのがまざまざと伝わって来ました。
共感出来て、彼女のために涙が出た。
花ちゃんのような圧倒的な美貌はないけれど、それを補う機知に富んだ知性があり男性を虜にする未亡人の肌の艶かしさを想像させる佇まいでした。
表向きは「貞淑な未亡人」風なのも説得力がある。
人を弄び冷笑しながら、自分自身を嘲笑っているような様が散見。
終盤ヴァルモンを受け入れないのはプライドのためというより、まさに自分の自由人格を守るため、という切実さが滲んでいた。
(花ちゃんはプライド寄りだよね。)
堂々たる立役者ぶりで、最終的にヴァルモンの全てを受け入れているのは彼女一人という包容力が全体を貫く舞台の芯としてありました。
祐飛さんは非常にファンタジー色が強い男役ながらすみ花ちゃんと繋がるリアリズムも持っていて、すみ花ちゃんの演技は非常にリアルな骨格がありながら「娘役」というファンタジーを芯に据える芸の懐があり、このコンビの幅になっていると思います。
祐飛ヴァルモンはやってることは自由奔放で嗜虐で恋愛的Sなんだけど内面的には生真面目で被虐で対メルトゥイユ的にMなんだよね。
かつ、不適でずる賢くてしぶとくて野心的な男なんだけど、実は誰より儚くてフイっと現実からリタイヤしちゃいそうな無邪気な身勝手さがある。
そんな男を愛しちゃったすみ花メルトゥイユの切なさ、そんな男だからこそ愛したすみ花メルトゥイユの愛すべき繊細さが胸を打ちました。
素晴らしい。
結局、彼女も翻弄された一人で諸悪の根源はヴァルモンなのであって主役に帰結します。
そう構築し得たコンビに万歳
ラスト、そんなメルトゥイユの全てを息するみたいに自然に受け止めるのがヴァルモン。
祐飛ヴァルモンの腕に抱かれて「一人の女」に戻った姿が、いじらしい。
そして祐飛ヴァルモンかっこよすぎ。
野々すみ花、いい役者だなぁ…。
花ちゃんの大ファンでありながら、見事に違うメルトゥイユを息づかせましたね。
声の豊かな艶にうっとりしましたぁ


すみ花ちゃんのメルトゥイユ夫人、素晴らしかったですね

諸悪の根源、希代の悪女。
単に悪女というより貴族社会の芳しき腐臭が彼女の強烈な自我に凝って、世にも妖艶な「悪女」が出来ました、って感じ。
感性の豊かな聡明な一人の少女が年端もいかない結婚をして、自分の心を守るためには仮面をつけて闘わざるを得なかった、というのがまざまざと伝わって来ました。
共感出来て、彼女のために涙が出た。
花ちゃんのような圧倒的な美貌はないけれど、それを補う機知に富んだ知性があり男性を虜にする未亡人の肌の艶かしさを想像させる佇まいでした。
表向きは「貞淑な未亡人」風なのも説得力がある。
人を弄び冷笑しながら、自分自身を嘲笑っているような様が散見。
終盤ヴァルモンを受け入れないのはプライドのためというより、まさに自分の自由人格を守るため、という切実さが滲んでいた。
(花ちゃんはプライド寄りだよね。)
堂々たる立役者ぶりで、最終的にヴァルモンの全てを受け入れているのは彼女一人という包容力が全体を貫く舞台の芯としてありました。
祐飛さんは非常にファンタジー色が強い男役ながらすみ花ちゃんと繋がるリアリズムも持っていて、すみ花ちゃんの演技は非常にリアルな骨格がありながら「娘役」というファンタジーを芯に据える芸の懐があり、このコンビの幅になっていると思います。
祐飛ヴァルモンはやってることは自由奔放で嗜虐で恋愛的Sなんだけど内面的には生真面目で被虐で対メルトゥイユ的にMなんだよね。
かつ、不適でずる賢くてしぶとくて野心的な男なんだけど、実は誰より儚くてフイっと現実からリタイヤしちゃいそうな無邪気な身勝手さがある。
そんな男を愛しちゃったすみ花メルトゥイユの切なさ、そんな男だからこそ愛したすみ花メルトゥイユの愛すべき繊細さが胸を打ちました。
素晴らしい。
結局、彼女も翻弄された一人で諸悪の根源はヴァルモンなのであって主役に帰結します。
そう構築し得たコンビに万歳

ラスト、そんなメルトゥイユの全てを息するみたいに自然に受け止めるのがヴァルモン。
祐飛ヴァルモンの腕に抱かれて「一人の女」に戻った姿が、いじらしい。
そして祐飛ヴァルモンかっこよすぎ。
野々すみ花、いい役者だなぁ…。
花ちゃんの大ファンでありながら、見事に違うメルトゥイユを息づかせましたね。
声の豊かな艶にうっとりしましたぁ


