こちらのブログは年単位でほっぽらかしておりますが,日々かわりなくレッスンやら幼稚園の音楽指導やら,審査やらと忙しく走り回っております。SNSはFacebookとTwitterには常駐しているもののブログになるとなんでか腰が重くなるのが不思議です^^;

 

さてと,タイトルはかなり悩んでも思いつかなかったのですが(笑)

 

ここ数年,セミナーや講座といったものが私たちの音楽教育業界にも浸透してきました。もちろんその多くは後援している団体や熱心な先生方のお勉強会から発展した至極真っ当なものです。私の知人にもセミナー講師をされている先生はたくさんいらっしゃいますが,夜を徹して準備に余念なく受講者のためにご自身も勉強されている方ばかりです。

 

ただ…。

 

もう少し視野を広げてみると,最近は「儲かるノウハウ」「これをすれば誰でも人気教室!」系のセミナーが増えていることも目の当たりにします。指導のみならず経営術に目を向けるのはとても大切ですし,ノウハウを持つことはとてもいいことですが,中には個人的にとても怪しげに感じるものも散見されます。

 

今年までに私の周囲でも複数名がその手のセミナーに引っ掛かりました。受講される先生たちはとてもまじめで熱心です。だからこそつけこまれてしまっている,そんな印象を受けました。私が相談を受けた中には,ひどく内容の薄いものにぼったくられてしまっているケースもありました。もちろんそんなことで結果はついてきません。そのほとんどは主催者に「努力が足りない」とか「もう少し頑張りましょう」とお茶を濁されて次の契約に持ち込まれるパターンです。

 

私はセミナーや講演会に対して全面否定するわけではありません。ただし,その内容が対価に見合っているかどうか見極めることはとても重要だと思います。過去に私が受けたセミナーの中にも「おぉ!」と思うものはたくさんありました。逆に私自身もセミナー開催のお話をいただいたこともありますが「あ,私には向かないかも」と思うことばかりでした。

 

私自身が受講を判断する基準として

1.知りたい範囲に沿っているか

2.回数,料金などが明確であるか

3.過去に受けた方の評判がよいか

このあたりが挙げられます。プラスして講師となる方の背景やその方の学ばれてきた分野がわかるとなお良いと考えます。

 

そして,なによりも「自分が弱っている時には高額なセミナーの受講を決めない」ことをおすすめします。

 

もしも「あなただけ特別に安くしますからね」とか言いつつ長期の延長を求めてくるようなセミナーだったら,それは「講座もどき」です。何かに躓いている時って周囲がみんな成功者に見えるし,自己否定感も強くなります。同時に正常な判断力も落ちているはずです。そこにつけいるセミナー講師もどきを私は許せません。

 

もうひとつ。

誰かが成功したとして,それをそっくり真似をしたからといって自分もうまくいくとは限りません。だって生徒もそれぞれ違いますからね。指導者のキャラクターもです。だから何かを参考程度にするのなら問題ないと思いますが,誰かの成功体験に縋ってしまうことはご自身の未来を閉じてしまう可能性もあります。

 

お金も時間も有限です。自分の目の前の生徒さんの個性を生かすために,自分らしい指導を探すことに使いましょう。お教室の設備や譜面を充実させるとかコンサートに行くとか。あとはなにか違う資格をとってみるとか,評判の良い完結型の講座を受けてみるとか。そんな風に未来の自分に投資したほうがきっと結果に繋がります。同業のおともだちがいるなら雑談しながら情報交換するのもきっと有益です。

 

私が個人的なことを言えば,集客はフライヤーでもホームページでもなく「口コミ」が最強です。もしも私自身が「どうしたら教室に生徒が集まるか」と問われたら迷わず「目の前の生徒に真摯に対応していくこと」と答えます。綺麗事に聞こえるかもしれませんが本当ですよ。私の門下はいつも生徒さんの保護者からのご紹介枠だけで一杯になっていますから。お教室のある土地や,生徒さんの個性によってもレッスンの在り方はそれぞれ違います。だから無理して枠に嵌めないでいいんです。

 

少しだけ長くこの仕事をしている身からのアドバイス。まずは先生自身が自分らしくあることを大切にしていってほしいと思います。自分の持つ学びの意欲を大切にしながら,生徒さんと一緒に育って行けばいいんです。

 

…とはいえ,私も自分の先生や先輩たちからはおそらくすっごく心配されてるんだろうな(;^ω^)