こんばんは。

SMAP解散報道から約1か月、もう何だか完全に疲れたー!!

先日、某駅の中央改札口の前を通ったとき、この改札の前で色々買って、京セラドームに向かう電車に乗ったんだよなぁ~と感傷に浸っては涙・・・なんてことをしていたらさすがに疲れてきた笑。←当たり前。

最近、プライベートで何が起きても驚かなくなってきたし笑。

先日の記事にも書いたとおり、今年はあんまり物事がスムーズに進まなくて、心のバイオリズムもよくないのですが、おかげでより物事に対して慎重になれるというか。

いい意味で期待しすぎたりしなくなったというか。

そして今、人生で3本の指に入るぐらい大きな決断(悪いことじゃない)をしなければならないというのもあって、ちょっと今燃えてますwww

悟空でいう、「いっちょやってみっかー!」って感じです。

(先日、ドラゴンボールの映画がテレビで放映されてて、20年ぶりぐらいに見たんだけどすっごく面白くて最後まで見てしまったー)

巷で話題の「裏総選挙」についても色々思いはあるものの、それは詳細を見てからということで。




先日も書いたとおり、ブログは3周年を迎えたので、久々に色々な記事を読み直していました。

また新しいお話を書きたいなぁと構想はあるのですが、まだ形にできてないので、今日は夢小説の再アップです。(手直し済み)

遼一さんもヒロインも出てくるのに、主人公はこの2人ではなく「長瀬かおる」という架空の人物です。

第三者の目線で、廣瀬夫婦を描きたくて書きました。

この2年ぐらいで20本近く書いてるんだけど、自分のお気に入りの作品の1つです。

ちょうど一年前に書いてたみたい。

長い上に自己満で、需要がないのは分かってるし、読んでくださってる人もほとんどいないと思うのですが、もしお付き合い頂けたら是非☆






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ピンポーン


ゆっくり大きな深呼吸を1つして、インターホンを押す。


「はい」


「○○出版社の長瀬です」


「もうすぐ書きあがるから、リビングで待ってて」


そういって鍵があけられる。





私は、○○出版社に勤める作家の卵の長瀬かおる。

高校時代、大好きだった彼にふられて、人生初の失恋を経験したときに1冊の本に出会った。

神様なんていない、私の人生はもう終わった――

今思い出しても恥ずかしくなるぐらい、悲劇のヒロインになりきっていた私はその本の作家が自己と向き合う姿に心を打たれ、絶望の淵から這い上がることができたのだ。

温かくて優しくてとても繊細で儚げで。

けれどもしっかりとした強さが伝わってくる、そんな作品だった。

私も人の心を動かす人になりたい!

青臭いって人は笑うかもしれないけれど、そんなことはどうだっていい!

熱い思いを胸に作家を目指すようになったんだけど・・・

現実はもちろんそう簡単にいくわけもなく、作家の卵として活動する傍ら、出版社のアシスタントをしながら生計をを立てている。

そして、今日はある作家先生のお宅に原稿を取りにうかがっているのだ。




家にあがらせてもらうのは今日で三回目。

ソファーに座って待つ間、緊張しながらも先ほどの短いやりとりを思い出して頬を赤らめる。

低音なそのボイスは、インターホン越しにも大人の男性の魅力がはっきり伝わってきた。

「ダメダメ、私は仕事に来たんだから」

邪念を振り払うように頭を振っていたところ、

「待たせたな」

そう言って甚平に眼鏡姿の先生が現れる。

寝不足のせいなのか少し身体がだるそうに見えるその全身からはこれでもかというぐらい色香を放っている。

タバコを持つ指は長くて綺麗でセクシーで。

この手から私が大好きな物語が紡がれてるのだと思うとドキドキが止まらない。

思わず、ぼーっと見とれてしまいそうになるので視線を外すも、先生から漂うたばこの香りが鼻孔をくすぐり、先生が私の目の前にいるのだということを認識せずにはいられない。


自分の心臓がうるさいくらい鳴っていて、先生に聞こえていないか心配になるぐらいだ。

私、どうしちゃったんだろう。

高校のときからずっと憧れてきた人が目の前にいるからなのだろうか。

それとももっと別の意味があるのか。

自分でもその理由が分からずに原稿を受け取りながら立ち尽くす。

ただ、自分が「廣瀬遼一」という一人の作家先生に出会って舞い上がってしまっているのは確かだ。

膨らませた風船をくくるとき、うっかり手を離せば、すごい勢いで四方八方に飛び回るが、先生が原稿を渡すときに少しでも手が触れればそんな状態になってしまうだろう。

そんなくだらない事が頭の中を駆け巡っているとき――




ガチャガチャと鍵を開ける音とともに入ってきたのは一人の女性。

そう、廣瀬先生の奥さんだ。

「こんばんは。良かった、まだいらっしゃったのね」

「悪かったわね」 と心の中でつい悪態をついてしまう。

けれどその女性はにっこり笑ってこう言った。

「間に合ってよかった。うっかり豆を切らしてしまってることを思い出して帰りに買い物に寄ったから、もう帰られたんじゃないかって心配してたの」

そう告げる目の前の女性はなぜだかまぶしいほどに輝いて見え、思わず視線を外した。

「ありがとうございます。でも、原稿も頂いたし、今日はこれで失礼します」

私はありったけの作り笑顔を浮かべて答える。

先生とはもっと一緒にいたかったけれど、こうなっては状況が違う。

私は、急いで足元に置いてるバックを手に取った。

「こちらの都合で、お休みの日の夜に来てもらってごめんなさいね。もし、お急ぎでなかったらどうぞ」

そう言う奥さんに続いて廣瀬先生も

「無理強いはしないが、こいつの淹れるコーヒーはうまいから騙されたと思って飲んでいったら?」

と笑みを浮かべて勧めるのでとても複雑な気持ちになる。

先生、こんなに優しい顔をするんだ・・・

その笑顔を見ていると胸の奥がズキンとうずく。

けれど結局それ以上断ることもできず、私は1杯だけコーヒーを頂いて帰ることにした。






廣瀬先生のお宅からの帰り道、私はずっと心にモヤがかかっていた。

この気持ちはなんなんだろう。

それにしても、空きっ腹にコーヒーは胃に悪いっつーの。

確かに美味しかったけど。

ついつい奥さんに対して悪態をついてしまいそうになる。

私どうしちゃったんだろう。

そんなことを考えながら歩いていると、前から出版社の先輩2人が歩いてくるのが見える。

どうせ暇なんだから付き合えと言われたので、しぶしぶ近くの居酒屋へ寄ることにした。

先輩1
「どうだ、廣瀬先生は?」

「どうって言われましても」

先輩2
「あの先生の元へ通えるってすごく勉強になるだろ」

「はい。先生の原稿を読ませえてもらってすごくいい刺激をもらってます」

先輩1
「へー。それだけ?」

何かを探るように、そして私をからかうように目を細めて聞いてくる。

「他に何があるんですか?」

先輩1
「廣瀬先生って俺ら男から見てもあの完璧なルックスだろ?生で会ってみて惚れたりしないのかなぁって」

「そ、そんなことあるわけないじゃないですか」

先輩2
「こらこら、酒がまわってきたからって純粋に夢に向かって頑張ってる子にそんなこと言わないの」

先輩1
「なぁ、1回、迫ってみたら?」

「はい?」

先輩1
「廣瀬先生って、今でこそおとなしいけど、昔はかなり遊んでたらしいぞ。そうそう、純文学作家の西川先生もその1人らしいし」

「え??あの西川先生が!!」

先輩2
「でもそれは昔の話だろ。最近では奥さんにベタ惚れだって、出版業界でも有名な話じゃないか。廣瀬先生の作家としての人気を妬んでるやつらがスキャンダルをもくろんでハニートラップをしかけても絶対に乗ってこないって話だし」

先輩1
「いやぁーでも男ってのは分からないぜ。可愛い女の子が、作家になりたいんですけどぉ~ってセクシィな格好で迫ってきたらころっていっちゃうんじゃない?」

先輩2
「お前、それ以上言ったらセクハラだぞ。分かってると思うが長瀬も本気にするなよ」

「あ、当たり前じゃないですか。私はそんなんじゃないですよ」






そんな会話をした1週間後。

私はいつもより濃い目のメイクに、いつもより丈の短いスカートを穿いて先生のお宅の前に立っていた。

今日は奥さんが海外出張に出ている日。

私、何やってるんだろう・・・

サイテーだな・・・

どす黒い感情が渦巻く中に、どこかで何かを期待している自分がいるのも間違いない。

ドキドキする気持ちを抑えながらインターホンを鳴らした。

いつものように家にあがらせてもらい、先生を待つ。

そして、書きあがった原稿をもらい、コーヒーも頂き、私の期待もむなしく、任務はあっさり完了してしまった。

これ以上家にいるのも不自然なのは分かっていたのだけれど、どうしてももう少し先生と一緒にいたかった私はとっさに、

「あ、あの・・・私、大学で古典の和歌を専門に勉強してきたんですが、先生が百人一首の中で一番好きな歌はどれですか」

と間抜けな質問をしてしまった。

先生は一瞬驚いた顔をしたあとに、

「そういう長瀬はどれが好きなんだ」

と聞くので咄嗟に思いついた和歌をそらんじる。

「かくとだに えはやいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを…」


私はバカだ。本当にバカだ。

慌ててパニックになったは私は思いっきり告白の歌を言ってしまったのだ。

この歌の大意は、

こんなにもあなたに恋焦がれているという気持ちを伝えたいのだけれども、伝えられない。伊吹山のさしも草のように燃え上がっている私の恋心なんて、あなたは知らないのでしょうね。

というもので、まさに私の今の想いを歌ったものだった。

しまった…と思いつつ、先生の様子を覗き見る。

「あぁ、確か藤原実方朝臣の歌だな。かなり情熱的な歌人だったらしいな。オレならそうだなぁ。1つに絞るのは難しいが・・・」

あっさりかわされてしまい、おまけにご丁寧に私が知らない、この和歌の豆知識まで教えてくれた。

きっと、百人一首の話なんかしなくても先生はとっくに気付いてたんだと思う。

でもそんな素振りは一切見せず、いつものように作家志望の私にあれこれ話をしてくれる。

けれど先生とたわいもない話をすればするほど、自分が情けなくなって胸がしめつけられるほど苦しくなり、逃げ出すように先生の家を後にした。






先生の家を出た途端、雨が降り出した。

私、なにやってるんだろ。

今日何度目か分からない想いを今度は口に出して言ってみる。

あまりにも自分の言動が浅はかで情けなくてたまらない。

先生が私の前で奥さんの話をすることはほどんどないのだけど、

本当は奥さんにコーヒーを淹れてもらったあの日から気付いてた。

先生が奥さんに向ける表情がこの上なく柔らかくていかに優しいものなのかということを。

それなのに、それなのに。

あの時の先生の笑顔を思い出すだけで胸が張り裂けそうになる。

私、ホントに先生のことが好きになっちゃったんだ。

降りしきる雨に打たれながら、私は声を上げて泣いた。

先生への気持ちも、あわよくば先生と・・・なんて考えてしまった汚れた自分の心もこの雨と一緒に流れてしまえばいいのに。

そんな気持ちでいっぱいだった。








それから数日後。

世間は廣瀬先生のスキャンダルでにぎわっていた。

先生に限ってそんなことはありえない!

憤る想いを胸に、急いで廣瀬先生のお宅へ急ぐ。

多くの報道陣を押しのけ、必死の思いでマンションのドアの前に立つ。

ピンポン ピンポン ピンポーン

お願い、先生、出て!

早る想いを胸にインターホンを押し続けているとドアが開いて中へ招かれた。

けれどそこにいるのは先生の奥さんだった。

「遼一さんは今はここにはいないの」

「どこにいるんですか?大丈夫なんですか?」

「えぇ、遼一さんは大丈夫」

奥さんが笑顔でそう答える。

なんでこの人はこんな状況の中で笑っていられるんだろう。

苛立ちを隠せないでいると、奥さんは続けた。

「今はマスコミに見つからないところで最終号の仕上げを書いてるの。絶対に締切には間に合うはずだから安心してね。

今週号の原稿は預かってる。こんな状況の中、大変だったでしょ。本当に来てくれてどうもありがとう」

奥さんのために来たんじゃないんだから、奥さんにお礼を言われたくない・・・

またしても奥さんへの歪んだ感情が湧いてくる。

状況がつかめなくて、ただでさえもどかししいのに、どんどんイライラが募ってくる。

「あなたは心配じゃないんですか?言われもないことで廣瀬先生はマスコミからバッシングを受けて。こんなに素敵な作品を書く先生が、そんなことするわけないのに。こんなにも一生懸命になって読者を思って書いてるんですよ。なのに、なんで・・・」

奥さんに向けて言ったけれど、その言葉はもう誰に充てたものか分からない。

天才だと思っていた先生が、実は誰よりも努力家だということを通わせてもらっている間に知った。

そんな先生がいわれもないことで騒がれていることが悔しくてたまらない。

先生への想い、先生の作品への想いも一緒にこみ上げてきて、私は嗚咽しながら泣いた。




すると突然、ふわりと抱きしめられた。

一瞬何が起こったのか分からず、思わず固まってしまう。

「あの人は幸せ者ね。こんなにも慕われて心配されて。長瀬さん、本当にありがとう。でもあの人は大丈夫。今回のことも、色々な方の協力のおかげでもう少しで事態は収束する。

でもその間に、あなたに渡す最後の原稿を仕上げるんだって言って今頑張ってるの。だからもう少しだけ、遼一さんを信じて待っていてあげてほしいの。


そうそう、あなたのこと、将来きっといい作家になるってすごく嬉しそうに言ってたわ」

奥さんは子供をあやすように、私の背中をゆっくり撫でながら優しい言葉で包んでくれた。

そして最後にこう付け加えた。


「世間はね、彼のことを天才だって言うんだけど、遼一さんは昔、天才になりたいって言ってたことがあって。本当に努力努力の人だと思う。だから、あなたが遼一さんの本当の姿を見て心から応援して想ってくれることが私は本当に嬉しい」



…私はバカだ。子供そのものだ。

つまらない嫉妬で心の中で悪態をついたり、ダダをこねるような真似をしたり。

おまけに最後は八つ当たり。

けれどそれも全部お見通し。

私には敵わない。

100年かかってもこの人には敵わない。

あの日、どうしてこの人がまぶしいほどに輝いて見えたのか、

廣瀬先生がどうしてこの人を選んだのか、

どうして先生はこの人を見るときにあんなにも優しい目をするのか、

それが全部わかった気がした。

今まで自分の中にあったモヤがすぅっと消えて晴れ間が見えてくる。

そして同時に私の中である闘志が湧いきた。

絶対に作家として成功させると――














「遼一さん、早くしないと受賞式に遅れますよ」

「ハイハイ、今行くからちょっと待ってなさい。それにしてもお前嬉しそうだな」

「そりゃそうですよ。長瀬さんが△△賞をとるなんて、自分のことのように嬉しいです。10年前、最終号の原稿を取りにきてくれたとき、絶対に作家として成功するからって彼女私に言ってくれたんですよ。その時は一番に取材に行くって約束したんですから」

「◯◯、あとがきの次のページまで読んだか?」

「はい!まさか、あとがきの次のページにあんなことが書かれてたなんて…あっ、タクシー来ましたよ」

「直球ストレートの告白は、百人一首の君らしいねぇ…さて、盛大に祝ってやるとしましょうか」

私達は仲良く手を繋いで授賞式に向かったのだった――








最後に…

あの日抱きしめてもらったこと一生忘れません。

愛する人とずっとずっと幸せでいてください――



長瀬かおる










1年ぶりのお目汚し失礼しましたー!m(._.)m