週明け雨スタート。

この雨で、桜はどれほど散ってしまったのやら…

今年はお花見を諦めざるをえない状況なので、いつもより色んな二次元ダンナとのお花見を楽しみたーい♡

ってことで、今日の夢小説のヒロインは「とも」にさせてもらいましたwww

昨年UPしたものにだーいぶ修正を加えました。(タイトルはそのまま)

実は私のお気に入りのお話です。

良ければお付き合いくださいませ♡


タイトルは『桜色に包まれて』

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「ただいま」

「……」

「 帰ってないのか? おーい、ともサン 」

遼一さんが帰ってきたことに気づかない私は、寝室のクローゼットをひっくり返すのに夢中でーーー


ガチャリーー。


「なんだ、こんなとこにいたのか」

「ギャーーーーーー! 遼一さん? あぁびっくりした!」

「さっきからずっと呼んでたのに全然気づかなかったのか」

「すいません、全然気付きませんでした。遼一さん、おかえりなさい」

「あぁただいま」

「しかし、どうしたんだ。こんなに服を散らかして。電気は点いてるのに返事はないし、ドアを開けた瞬間、この散らかった部屋を見て、泥棒が来たんじゃないかって焦ったでしょうが」

「驚かせてすいません。実は、今度の受賞式に着ていく服を探していて」

「今度の授賞式か」

「はい、せっかく遼一さんの栄えある授賞式に妻として参加させてもらうのにおかしな恰好ではいけませんから。今回の賞にふさわしい服を探してたんです」




遼一さんは、日本であらゆる賞を獲得していたものの、まだいただいていないものもあった。

それは、未来永劫ずっと読み続けたい作品が選ばれるという賞で、老若男女を問わず幅広い層の方に支持されたものがいただける賞だった。

このたび遼一さんはその賞を受賞した。

今回遼一さんが書いたのは、戦争時代のお話。

結婚を誓い合っていた男女が仲睦まじく過ごしていた。

けれど男性は中国に出兵しなければならなくなる。

戦争が終わったらいつも2人で会っていた大きな桜の下で再会しよう、そのときにもう一度プロポーズするからーー。

その約束を胸に女性は必死に生き抜いた。

けれど戦争が終わって毎日毎日桜の木の下へ通うも男性は帰ってこない。

そして数年たったある日、女性は親の勧めでお見合いをして他の男性と結婚する。

月日は流れ、子供を授かり、孫にも出会い、旦那さんに先立たれた女性はひょんなことからかつて結婚を約束をしたあの男性と再会する。

戦争が終わっても何年も日本へ帰ってくることができなかった彼もまた、別の人と結婚し別の人生を歩んでいたのだ。

そして彼もまた愛する妻に先立たれ一人で余生を過ごしているところだった。

そんな時に再会した2人は毎日毎日あの大きな桜の木の下で、互いの知らない何十年間を語り合う・・・

というお話だった。

恋愛小説ではなく、お互いがこれまでどれだけ一生懸命生きてきたのかを回想しながら物語は進む。

物語の最後に、

「私はあなたを本当に心から愛していた。けれど何一つ後悔はない。それはこの何十年間、毎日一生懸命生きてきたから。だからこそ、こうやってまた最期にあなたに出会えた。それだけで私はじゅうぶん幸せだわ」

満開の桜の木の下で80歳の老婆が満面の笑みで語るこのシーンは何度読んでも、心が震える。

きっとこのシーンで魅せた老婆の笑顔は決して一言では言い尽くせない強さと美しさを秘めていたのだろう。

この作品は私にとっても大好きな作品なので、賞を受賞したと聞いたときは飛び上がって喜んだ。

何より遼一さんの努力が認められたことが自分のことのように嬉しい。

この度の受賞式は夫婦で出席することになっているので、遼一さんの妻とし恥ずかしくないよう、授賞式にふさわしい服を探していたのだった。






「あぁ、そのことだが」

「はい」

「何を着ていくかまだ決まっていないんだったら、これはどうだ」

そういって、遼一さんから大きな和紙に包まれたものを渡される。

それは、ずっしりとした重みがあり、包みを開ける前に着物だということが分かった。

そして包みを開けた瞬間、その着物の美しさに言葉を失いそうになる。

「………!遼一さん、こんなに素敵な着物、見たことないです!見事なまでの桜色……こんな素敵な着物もらっていいんですか?」

それは、淡いようで内に強さを秘めた、言葉では表現できないほど見事な色に染め上げられた着物だった。

「喜んでもらえて良かったわ。いや、この桜色が小説の桜のイメージとピッタリでな。当日の着付けもすでに頼んであるからお前は着のみ着のままで日本へ帰ればいい」

「遼一さん、何から何までありがとうございます。私、遼一さんの妻として恥ずかしくないようしっかり妻としての役目を果たしますね」

そう言うと、遼一さんは優しく微笑んでふわりと抱きしめてくれた。






その日の夜は、久しぶりに2人でゆっくり夕食を食べてお風呂に入った。

2人で湯船につかりながら、1日の出来事をお互いに話したり世間話をしたりする瞬間が私はたまらなく好きだ。

何気ない日常の1コマがとても愛おしい。

「それにしても、あの着物、本当にきれいな桜色ですね」

「なんせ本物から染められてるからな」

「桜からですか」

「あぁ。あの色がお前のイメージとピッタリだと思ってな」

「え?」

思ってもみなかった言葉に鼓動が早くなる。

けれど、返ってきた言葉は予想を反するものだった。

「のぼせそうなのに、もっと風呂で話したいから我慢してるその顔。えもいわれぬ綺麗な桜色だわ」

「~~~~っ!!ちょっと遼一さん!!そんなの全然嬉しくないですよ!!期待して損しました」

「ハハ! 怒るなって。そして、うちのヨメは一体何を期待したんだ?」

「ちがっ…!そんなんじゃ…」

悔しくて反射的に離れるのもそんなことは無駄な話でーー

「もしかしてこういうことか?」

そう言って、遼一さんはつーと私の唇を綺麗な人差し指でなぞってみせる。

そして、目、耳、頬、首・・・唇をのぞいたあらゆるところに触れるだけのキスが繰り返される。

何とももどかしい気持ちになるのに、唇にだけはキスをくれない遼一さん。

もちろん、私のそんな気持ちなど遼一さんには全てお見通しで。

私の顔を見た遼一さんはフッと笑うと、

「そのほしくてたまらない顔。まさに上気したような美しいピンク色だな。何年経ってもその顔にそそられるねぇ」

そう言うと、体中が砕けてしまいそうな甘い甘いキスをくれる。

そんなキスをされたら、私の身体の中のあらゆる細胞が「遼一さんが好きだ」と叫んでるみたいに熱くなる。

こうなるともう遼一さんにしがみつくのがやっとで。

遼一さんのことが好きでたまらない…

どうやったら、ありったけのこの想いが伝わるのだろう。

いくら抱き合っても境界線みたいな体が邪魔でもどかしい。

いっそのこと、2人で溶け合って1つにらなれたらいいのにーー

全身の力が抜けそうなのをこらえ、自分から遼一さんの首に手を回して噛みつくようなキスをしたーーー。








受賞式当日、打ち合わせのある遼一さんと別れて、着付けをしてもらうことになった。

着付けが終わるころ、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。

「はい、どうぞ」

「ともさん、こんにちは」

「ともちゃん、ヤッホー☆」

そこには、皐月さんと未来君が立っていた。

この受賞式の会場を経営しているのは皐月さんの会社だったので、忙しい中応援に駆け付けてきてくれたんだとか。

未来君は「受賞式と言ったら僕でしょ?またあのときみたいにすごい質問してあげる」と言ってニコニコしている。

「ともさん、本当にお美しいですよ」

「うん、ホントにキレイ☆ こんなキレイなともちゃんを独り占めしてる遼くんはずるいよね」

「ありがとうございます。でも、これは私がキレイなんじゃなくて、この着物がとにかく素敵なんですよ」

「遼くん、この着物を手に入れるのに本気で苦労してたもんね」

「えっ?」

「こら未来、勝手にばらすと遼一に怒られるぞ」

「だってー。普段からともちゃんを独占してずるいんだからこれぐらいいいでしょ。この桜色はね、ともちゃんのイメージにぴったりなんだってー」

「あっ、それ言われたよ。お風呂でのぼせそうな顔色がそっくりだって」

その時のことを思い出して、少し頬を膨らませながら言うと

2人は一瞬固まったあと、顔を見合わせて笑い出した。

「遼一がそんなこと言ったんですか」

「はい」

「もう、相変わらず素直じゃないなー」

未来くんは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「ともさん、この桜色、何から染めてできたかご存知ですか」

「確か本物の桜から染めてできたと遼一さんが言ってました」

「桜のどの部分から煮詰めてできたか分かりますか」

「えーっとそれは聞いてませんが、花びらからですか」

「フフフ。ふつうはそう思うよね。でも違うんだよ。この桜色はね、桜の木の皮を煮詰めて作られてるんだよ」

「木の皮?」

「しかも木の皮から一年中その色がとれるわけではないんですよ。桜の花が咲く直前だけなんです」

「桜の花はね、実は1年かけて木全体で懸命になってあの色を作り出してるんだって。桜の花のピンクは幹、樹皮、樹液のピンクであって、春に花びらと言う先端にその色が現れただけなんだよ」

「わぁ、その話初めて知って今ちょっと感動してます」

「だから、ともちゃんと一緒なんだってさ」

「どういうこと?」

「いつも懸命に生きるともさんの中身が全部が美しいってことですよ。遼一のことを心から愛し、自分を変え、どんなときも支えてくれるともさんの心はとてもきれいだと。

だから表面上の美しさだけじゃなくて、ともさんの中身の美しさも表わせるこの着物をどうしても授賞式で着せたい・・・と遼一が言ってました」

「ともちゃんの内に秘めた強さや優しさなんかもこの着物なら表現できるとも言ってたよねー」

「遼一さん・・・」

「この着物のこと、ある人の本を読んで知ったらしいんだけど、突然言って手に入るものじゃないんだって。それでトレヴァーに頼んだとき、この着物がそんなに欲しい理由を言いなさいって言われて白状したの。

とにかくずっと渋ったり濁したりして言わなかったのに、トレヴァーに、じゃあ着物は用意しないって言われて。あのときの遼くんは見物だったよ~☆ともちゃんにも見せてあげたかったなぁ」

2人から聞かされた思いもよらない話に胸がジーンと熱くなる。

嬉しくて心も身体もどうにかなってしまいそうだ。

私はなんて素敵な人と結婚したんだろう、こんなにも幸せな気持ちで満たされていいのだろうか。

そんな温かい気持ちでいっぱいになったのだった。






授賞式後、遼一さんは、今回の小説が舞台となった桜の木の下へ連れてきてくれた。

慣れない草履の私に気遣いながら、2人で手をつないでゆっくりと歩く。

「遼一さん、改めてこの度はおめでとうございます。私、本当に嬉しくて」

言い終わらないうちに、声が震えて涙がこぼれ落ちた。

「うちのヨメはけなげだねぇ」

そう言って、こぼれた涙にキスをくれる。

「お前がいなけりゃ今回の賞も獲れなかった。ともには本当に感謝してる。」

そう言って優しく抱きしめてくれる遼一さん。

黙って抱きしめられてるだけなのに、彼の色々な想いが不思議と体温から伝わってくる。

そのうちに抱きしめる腕の力が強くなり、遼一さんの少し早い鼓動が聞こえてきて私のドキドキもとまらない。

「遼一さん」

「ん?」

「遼一さんの身体の細胞全部が私のことを大切に想ってくれてること、しっかり伝わってますよ。……この着物の桜色のように」

「…ったく。皐月さんと未来だな。授賞式が終わったら話そうと思ってたのに余計なことを」

「ふふふ。私、遼一さんがどんな想いでこの着物を用意してくれたのかが分かってすごく嬉しかったですよ」

「もう、黙ってオレに抱かれてなさい」

頬を少し赤らメル遼一さんは、私の顔を自分の胸にうずめる。

「私、そんなにできた人間じゃないですけど、これからも『廣瀬遼一』の一番のファンとしてずーっと応援させてくださいね」

「作家としてのオレをか?」

答えを分かっていながらニヤリと笑って聞く遼一さん。

彼の胸に顔をうずめていても、今彼がどんな顔をしてるのかぐらい私には分かる。

もう何年も一緒にいるのだから。

「もちろん、夫としての『廣瀬遼一』もです。遼一さんのことが大好きすぎてどうにかなっちゃいそうです」

桜の花びらが舞う中、私は顔を上げ、私は満面の笑みを浮かべる。

遼一さんの作品に出てくる老婆の笑顔にはまだ敵わないかもしれない。

でもこれからも一生懸命生きて、一生懸命遼一さを愛していきたい。

そして、もっともっと強く優しく遼一さんを守れる女性になりたい。

そんな気持ちを抱きながら、私は遼一さんにキスをした。

満開の桜に見守らる中、お互いの温もりを確かめ合い幸せな気持ちで満たされたのだったーーー。









相変わらずの駄文失礼しました。

この桜色の話は事実です。

私もこの話を聞いたときは驚きました。

染色家の「志村ふくみさん」という人間国宝のが染めた極上のピンクの着物。

一回でいいから着てみたい!

遼一は桜が似合う男として有名ですが、私にとっても人生において桜はかけがえのない物なのでどうしても書きたくてかきました。

最近の番外編を読むと、結婚してさらにまるくなった遼一は、きっとトレヴァーに最初から恥ずかしがることなく理由を説明してるんだろうと思いますが、なんせ昨年つくったものをベースに書いたのでご了承ください(#^^#)

次回は、「セレブ伝説」と「後日談」の感想、そしてそれにちなんだ?「黒下着」(爆)に関することについて書きたいと思いまーす( *´艸`)

最後までお付き合いいただきありがとうとざいました!