おーちゃん流・自分を許すということ

私は長いあいだ、
「ちゃんとできる自分」だけを
生かそうとしてきた。

失敗する自分。
続かない自分。
気持ちが変わる自分。

そういう自分は、
なかったことにしようとした。

でも、
うまくいかなかった。

見ないふりをすればするほど、
人生は
大きな失敗を連れてきた。

それは罰じゃなくて、
合図だった。

「ここにいるよ」
「まだ置いていかないで」

そう言っていたのは、
ダメな自分だった。

おーちゃん流・自分を許すということは、
評価を変えることじゃない。

存在を許すこと。

できても、できなくても。
前に進んでも、立ち止まっても。
決めたことが続かなくても。

「それでも、いていい」

そう言ってあげること。

自分を許せなかったころの私は、
人にも厳しかった。

約束を守れない人。
変わってしまう人。
期待に応えない人。

腹が立って、
疲れて、
でも本当は
悲しかった。

自分を許していなかったから。

自分に課していた厳しさを、
そのまま
人にも向けていた。

ある日、
「人間なんだから仕方ない」
そう思えた瞬間があった。

それは諦めじゃなかった。

解放だった。

自分の感情を、
正そうとしなくていい。

変わってしまう気持ちを、
責めなくていい。

そのままの自分に
居場所をつくる。

それが、
自分を許すということ。

完璧主義は、
向上心じゃなかった。

恐れだった。

「ダメだと思われたくない」
「価値がないと思われたくない」

その恐れが、
自分を追い詰めていた。

自分を許すと、
不思議なことが起きる。

いいところが、
やっと
息をし始める。

隠していた力が、
自然に
動き出す。

自分を許すことは、
甘やかすことじゃない。

本当の力を
解放すること。

私は今、
ダメな自分にも
こう言える。

「いていいよ」

それだけで、
胸がゆるむ。

自分を許せるようになると、
世界も
少しだけ
やさしくなる。

だから私は、
今日も
自分に許可を出す。

失敗してもいい。
揺れてもいい。
変わってもいい。

それでも、
私は
私として
ここにいる。

それが、
おーちゃん流・自分を許すということ。