春に来たばかりのおばちゃん先生が当直の日でした。


私達は気付いたんです。

いつも夕方先生が鍵を締めにまわってるけど、この日はそれがなかったこと。


就寝後、私達は確認するとやはりしまってなく、開く状態でした。


“決行は今夜しかない!!”


私が帰院した時は桜が見つかってバタバタしたこともあり、私の私服はそのままタンスに入ったままだったので、桜にも私の服を貸し、布団の中で着替えました。


靴はさすがに取りに行けないから、桜がトイレスリッパをこっそり持ってきてくれました。


0時をこえ、奥の扉がしまったので、1時間くらいたってから、一度ガラス窓をあけてみました。

あけただけではセンサーは反応しない。

児相と同じで、どこかにセンサーはあるけど、そこまではわからない。


ちょっとだけ手を出すと、ピーピーピーピーとセンサーが反応し、私達は窓をしめ、布団の中に潜りました。


しかし、センサー音はすぐ止まり、先生の気配はなし。


寮内もシーンとしたまま。


「これならイケるね!」

そう桜がポツリ。

私も頷きました。