■( 3セク )

民間企業と官庁の中間的な組織 『 第三セクター 』 。第三セクターが鉄道事業を運営している事例は全国に数十あります。官庁の良いところと民間企業の良いところを併せ持つ組織になる場合もあれば、それぞれの短所が表に出ることもあるようです。

 

■( 珍しく黒字の智頭急行 )

中山間地、つまり地方の田舎を走る鉄道の多くは100円の収益を上げるために、250円とか300円とかの経費をかけていて、つまり赤字だ、と聞いたことがあります。そんななかで、鳥取県智頭町と岡山県〜大阪を結ぶ3セク『 智頭急行 』さんはずっとギリギリ黒字経営を続けておられる、という話を耳にしました。それでも、沿線の人口は今後加速度的に減少していきます。そうすると通勤通学の利用も減ることが確実です。危機感を持っている智頭急行の方々は、「恋」という字が駅名に入っている『恋山形駅』を社員の皆の手ずから桜色に塗って、カップルが訪ねる恋愛祈願スポットに変身させたり、トンネルの壁にプロジェクターを投射したり、そうした話題性がない地道な改善ももちろん山ほど。「お金をかけない工夫」を数多く実行に移しておられます。

 

■( 兵庫・岡山・鳥取の頭文字を持つ "HOT型車両"  )

智頭急行の普通列車はHOT型と呼ばれているそうです。その車両の内装に智頭杉材をたっぷり使ってリフォームし、外観を銀河の星空でラッピングして改装した、イベント車両の愛称名を、昨年12月に公募しておられました。車体が星空なのは、鳥取県庁が「星を観に鳥取へおいでよ」という 『 星取り県宣言 』 をしていることに、鉄道事業者として協力する意味もあるということでしたので、私は 『 星を見るには上を見ないとね♪ 』 という気持ちを込めて『 上を向いて走ろう号 』 という愛称名でバーンと応募しました。・・・審査の結果、なぜかな・・・私の渾身の案は落選で、採用されたのは東京在住の方が応募なさった『 あまつぼし 』 という呼称でした。

ベール星雲みたいな色彩の車体に合っている名称が採用されたな、と納得しました。

 

■( 山城:利神城( りかんじょう )観光 + 智頭急行『 あまつぼし 』を撮影 )

ここ数年登山道が荒れていた兵庫県佐用町の城跡『 利神城 』が、石垣の雑草が刈り払われて登山道も整えられたと耳にして、出かけてきました。平福宿はこじんまりと居心地の良いところです。その際に上記の 『 あまつぼし 』 が平福駅を出て南へと上り列車として疾走する姿を見かけました。再度下り列車となって戻ってきた姿を撮影した写真を、添付します。

 

■( HOT型車両のリフォーム Before ⇒ After )

古い鉄道車両をリフォームして観光電車に仕立て直す事例が全国で増えていて、そういうニュースに慣れてしまい『 あーまたか 』 とあまり真新しさを感じなくなってきました。資金が潤沢な事業者は「側面窓を天井付近まで伸ばしてパノラマウインドウ化」 したり、「車両の顔・前面が空気抵抗を軽減するように斜めの後退角を与える」 など、車両の骨格から改変するような大規模リフォームをバンバン行っておられます。箱のように顔が平らじゃなくて立体的な造形だと「 特別な車両 」 感が増しますものね♪

けれど智頭急行さんのような節約経営の地方鉄道事業者だと、ラッピングのストライプ色やエンブレム( ヘッドマーク ) で特別感を強調するくらいまでの改装だろうな、と想像していました。全国あまたあるリフォーム電車に埋もれないインパクトを打ち出すって、難しいよね・・・と。

白地に青色ストライプが改装前のHOT型。 青紫の車体に星雲?が描かれたのが改装後の『あまつぼし』です。

 

■( 錯視で顔に立体感 )

『 あまつぼし 』の車体外装板は、いじっていなくて、単純な箱型=顔は平ら、なはずなのに、逆スラント(オーバーハング) した短いボンネットがあって、赤灯周りにプレスしたキャラクターラインが走っているように見えるので、元の車両とは「 塗装色が違う 」のではなくて『 顔つきが違う 』 感じです。 なんか顔がレクサスっぽい。「あまつぼし」がだんだんホームに近づいてきて、謎が解けました。ラッピングで疑似的に陰影を与えて、それが立体形状があるかのように錯覚させているのです。アイデアですな。

 

 

 

■ほかの改装電車もデビュー間近。山陰地方では、JR西日本さまも2018年7月1日に、古い車両をリフォーム・改装した観光列車 『 あめつち 』 を運行開始されるそうです。日本刀をモチーフとした図案の外装だそうです。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/28/news128.html

 

 

 

 

■別件: カスタム743万年筆用のチタン製替え軸を、ごく少数ですが、2018年5月頃に販売しようと考えています。年度末繁忙期が一段落したので、替え軸の取説?を校正中です。