■ずっとダイバーズウオッチの記事しか載せていませんでしたが、今回は万年筆向け交換パーツです。
 
■( 万年筆の性能 )
国産のパイロット社製の「カスタム743」万年筆を使っています。
ペン先滑らかで、インクを供給するペン芯の性能が良いので早書きしてもかすれない。礼状を書いていて辞書を引くためにキャップをしないで万年筆を机上に置く。そこへ電話がかかってきて、そのまま20分。万年筆のインクは水性です。水は蒸発する。だからイタリア製の美しい万年筆だとペン芯が乾いた様子で、もうかすれて書けません。水を入れたコップにペン先を漬けて、乾燥したインクかすを融かす手間がかかります。まあそういう手間を「気分転換の儀式だ。コーヒーを淹れてちょっと休憩するか」と前向きに捉えることができる、余裕のある気分の時もあります。でも、そうでないときもある。
■( カスタム743はペン芯性能が高い )
パイロットのカスタム743ではなかなかそういう目にあいません。
かなり長いことキャップを開けたっまで放置しても、何事もなかったかのようにまた書き出せる。ペン芯とペン先の性能が高い。信頼できる。カバンの中で揺さぶられて、ペンケースの中の他の万年筆がキャップの中でインクがあふれて汚くなくなったときも、カスタム743は綺麗なまま。総合性能の高さを気に入っています。
 
■( 黒いプラスチック軸に金メッキがちょっと )
そういう具合に性能は世界トップレベルだと思うのに、外観・ルックスはあんまり特別なものではありません。いわゆる仏壇ルック。ピアノブラックのプラスチックに、金メッキのリングが何個か巻いてある。イタリアブランドの万年筆などと比べると、地味なものです。
 
■( 雰囲気を変えようと金属軸を削り出し )
ペン先は最高なのに、見た目が地味、と感じて、交換用銅軸を削り出しました。
薄い金属板とプレス金型を用いて、パコンパコンと大量生産する方式ではない。3千万円の精密加工装置にプログラムを入れて1個1個に加工時間をかけて丁寧に削り出す、いわゆる「ビレットパーツ」です。気分が贅沢になります。