令和3年11月15日(月)に「梅切らぬバカ」を見てきました。







場所は仙台のミニシアター「フォーラム仙台」

 

 

 

 

ここ仙台ではこの1館のみの上映で、県内ではあと1館、

我が家からは車で1時間ほどにある映画館でのみの上映となりました。

15日はフォーラムデーとのことで1200円で鑑賞できるお得な日、

朝にホームページから座席を予約した時にはガラガラ状態。

しかし20分前に会場に着くと入口付近まで人があふれているのが見える。

チケット売り場から聞こえる声は皆さん「梅切らぬバカ」のチケットを求める方々。

お客さんはほぼ年配のご婦人で占められており、あまりネットでチケットを購入される年代ではないんだわね。

だからネット上ではガラガラだったんだな~と納得。

 

ちなみに、フォーラム仙台のお隣に入っている「喫茶 ビジュウ」でランチとケーキを食べるのを楽しみに伺ったのですが、月曜日はお休みとのこと。Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

フォーラム仙台で映画を見るとき以外は足が向かないエリアなので久々に楽しみしてましたが

次の機会ですね。

2階にある食堂カフェ空飛ぶ猫もお休みでした。

 

 

 

 

映画の感想

 

山田珠子役の加賀まりこさんはっきり物を言う、カラッとした性格の肝っ玉母さん役がドはまりしており、それに加え息子の忠男役(物語の中ではちゅうさんと呼ばれていました)の塚地武雅さんが本当に素晴らしい演技を見せてくれました。

最初から最後までそこに自閉症の「ちゅうさん」がいました。

「こういう自閉症の方いる」というとてもリアルな演技、他の俳優陣もうまい方たちが揃っていて

文句なしのキャスト、一瞬もつまらないとか飽きるということがなくあっという間の時間でした。

 

「梅切らぬバカ」という言葉は恥ずかしながらこの映画を知って初めて聞いた言葉でした。

映画には梅の木にまつわるエピソードがちりばめられています。

映画を見てこの言葉の意味が理解できました。なるほどそういう意味なのか。

後から調べたら「桜切るバカ、梅切らぬバカ」ということわざがあるんですね。

ちょっと賢くなった気分。。。

 

 

 

注意!!!:ここからネタバレも含みます↓

 

 

 

 

 

物語は母と息子二人で寄り添ってくらしてきた母子の話です。

母の珠子さんは占い師、自閉症の息子のちゅうさんは日中は支援施設で箱折りの仕事をして暮らしています。

ちゅうさんの50回目の誕生日に「このまま共倒れになるのかね…」と不安になり…。

施設からの紹介で空きが出たグループホームへ入居することになったちゅうさん。

しかしちゅうさんが絡んだトラブルがあり元々グループホームに反対派だった近隣住民の反対運動が加速していきます。

結局家に戻ることになったちゅうさん。

珠子さんとの帰路の場面は胸にぐっと来るものがありました。

本当は悔しいし切ないしそういうネガティブな思いもあるけれど、ずっと二人で暮らしてきたんだもの、手はかかるし、自立を思うと心配だけど、うれしい気持ちも嘘じゃない。

そんな気持ちが伝わってくる場面でした。

 

物語の中では近隣住民からの偏見や差別がわりと露骨に表現されています。

隣家へ越してきた里村一家、ご主人役の渡辺いっけいさん、奥さん役の森口瑤子さん、お子さん役の斎藤汰鷹くん。

不思議な行動をするちゅうさんに偏見があり、誤解からご主人に怒鳴られたり…

実はちゅうさんがグループホームを退去することになったトラブルにお子さんが絡んでおり、そのことで人に謝らないタイプのご主人が、この夜ちゅうさんの家へ伺ったのでした。

そこには奥さんとお子さんも先に来ていて、一緒にお帰りパーティーをして打ち解けていくのは見ていてうれしかったですね。。

酔っぱらったご主人が「ここにグループホーム建てちゃえ。誰も文句いう奴なんていないんだから」なんてびっくりするような事を言い出し、翌日の朝に「本当にグループホーム建てちゃうよ」と珠子さんが言うと覚えていない…

 

数年後にこの場所にグループホームを建てた場面が映り、ちゅうさんも穏やかに暮らしていて…なんて場面が来ると期待してしまいましたが、なんとあっさりエンドロール。

この続きが見たいのに!!

乗馬クラブの今井奈津子役の高島礼子さんや自治会長さんなど反対運動を行っていた人たちにも徐々に理解を得られて、良かったねという形で終わるのも想像してましたが、やや含みを持たせた形で終わりました。

 

 

でもこういう終わり方もそのあとの後を想像して考えるきっかけになるんですよね。

この後ちゅうさんは他のグループホームへ入って自立したのでしょうか。

それともこのままお母さんが病気で倒れるとか亡くなるとかどうしもうない状態になって施設やグループホームへ入るのでしょうか。

 

 

この映画を見て理解が進んでいるようにも見える日本でも世間一般ではこういう反応をする人たちが多いんだろうかと考えさせられました。

グループホームがすぐ目の前にできたら、自分だったらどうだろう。

朝や夜に騒いだり大声出されたりしたら、あの裏の家のおじさんのようになるのかな。

寝不足になったら穏やかではいられないかな…

 

 

数年前に自閉症の子を持つ親の方から聞いた話で、

グループホームへ問い合わせをしたら「自閉症の方はお断りしてるんです、こだわりが強かったり、特性から他の利用者の方とトラブルになる事がとても多くて…」と言われたと。

本人が自立を望んでも、受け入れ先が見つからなかったり、グループホームに入っても相性の悪い方がいたり、本当に障害を持つ方の自立は難しいことが多く、親御さんの苦労は並大抵ではないのです。

映画を見た人たちはこういった問題を考えるきっかけになったのではないでしょうか?

 

 

 

余談ですが…

加賀まりこさんの母さん役が素敵すぎまして

はっきり物を言うし、人によっては好き嫌いの分かれる性格かもしれない。

でも悩んだり迷ったり心配もしてとっても人間らしい。

ああいうお母さんにわたしもなりたいナ。

 

 

 

あさイチのプレミアムトークで「梅切らぬバカ」のエピソードを披露してました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ううめきらぬ