こんにちは。ともみ鍼灸院です。
今日は学生時代に体験したすごい先生のすごいお話の続きです。
中国に研修に行った時、同級生が腰椎ヘルニアを悪化させてホテルのベッドから動けなくなった話の続きです。
前回の記事は 安雲和四郎先生のすごさを目撃した話①
研修中のある日、安雲先生から声をかけていただきました。
「今日研修終わったらあの子の治療するから、部屋まで見においで。」
早速部屋に行くと、ヘルニアの同級生がベッドに寝ており、同室の友人と安雲先生が居ました。
「今日は長い鍼を仕入れて来たんや」と、中国鍼を準備していました。
「俺は今家族ぐらいしか治療してへんから、俺の治療が見れるのは貴重やで。たっちゃん、よう見ときや。」
先生は私にそう伝え、治療が始まりました。
ヘルニアの腰痛で横向きでエビの様に丸まって寝るしかできなかったですが、その状態の臀部と腰部に中国鍼を入れていきます。
長い鍼がいとも簡単にすーっ、すーっと入っていきます。ヘルニアの同級生は怖がりで痛いのはすごく苦手な人。
「今どれぐらい入ってる?」と私に聞いてきます。
安雲先生はすかさず目配せとゼスチャーで、指で2㎝ぐらいと私に指示。私も「2cmぐらいやで」と言うと安心した様子。
「どう?響いたり痛かったりするん?」と聞くも「全然大丈夫」と。
安雲先生から「当たり前や痛ないわ(笑)」と怒られました。
私が思わず聞いてしまったのは、その一瞬で先生はすーっと鍼を15cmは入れていたから。
芸術的とも思えるような手捌きで、次々鍼を入れていきます。
思わず見惚れてしまうような鍼の手つきで、今まで見てきた色々な先生の鍼の中でもダントツで忘れられない手捌きでした。
未だにすごかったな、見惚れるぐらい綺麗だったなと思います。
「ほんならあとはココにお灸しといたりー」と助手を言い渡されていた私に告げて治療は終わりました。
先生に「これだけすごい鍼をするのにどうして授業で鍼の実技指導をやってくれないのですか?」と思わず聞いてしまいました。
先生は「実技はもっと若くてちゃんとできる先生にお願いしてるからえぇんやで。俺は家族ぐらいにしか鍼してへんから。」というお返事でした。
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