徳川美術館展 尾張徳川家の至宝 | けろみんのブログ

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2024.7.27


徳川美術館展 尾張徳川家の至宝

サントリー美術館

2024.7.3~9.1





名古屋にある徳川美術館は、尾張徳川家に代々伝わる名宝が散逸してしまうのを防ぐため19代当主が一括して徳川黎明会に寄付した美術品をもとに昭和10年に開館しました。

徳川家の大名道具には、2種類あります


表道具ー武具、接待の茶道具、能楽

奥道具ー私的な場で使用……教養、趣味や遊び


徳川御三家とは、初代徳川家康の9男徳川義直、10男徳川頼宣、11男徳川頼房を初代とする尾張徳川家、紀伊徳川家、水戸徳川家を指します。御三家筆頭の尾張徳川家はいざと言う時将軍家を引き継ぐ役割がありました。それにしても家康は凄いたくさんの男子に恵まれたんですね。長男が1559年生まれで義直は1601年生まれですから、42歳違いの兄弟。ロバート・デ・ニーロみたい。

将軍家と徳川御三家だけが徳川姓を名乗ることが出来る、葵の紋が使用出来る、などの特典付きで大名の最高位です。



もののふの備え


戦国時代に比べて平和になった江戸時代。それでも武士として戦いの備えを怠らないのが大名家のあり方です。


短刀 銘 相州住正宗 は豊臣秀吉、徳川家康、尾張徳川家初代徳川義直と受け継がれ、尾張徳川家の一番の宝となりました。当主を継承する際はこの刀の入った箱の鍵を先代から引き継ぐ儀式を行うそうです。これら徳川美術館の刀剣は、江戸時代に研ぎに出して以来とぎ直しておらず、江戸時代の輝きをそのまま放っています。



清雅ー茶・能・香


政治、外交に用いられました。


茶ーもてなしの場に必須。茶道具は家の格を示すそうです。

三島茶碗 銘 三嶋桶 大名物

三島とは朝鮮時代の青磁に白土で象嵌模様を施した焼き物のことで模様が三島神社の暦に似ている、とか高麗の貿易港に三島港と言うところがあるからとか諸説あるようです。「天下無双の大名物」と細川三斎が評した素晴らしい器で、縦に長めの楽茶碗みたいなフォルムです。




能ー室町時代に武家の正式な音楽式学になった。徳川に伝わるものは上等な布で華麗で独自の素晴らしい装束です。

紅、白、金の能の唐織の装束は、若い女性役に用いるそうです。蹴鞠の鞠の模様はとても華やかでこのデザインはどういう過程を経て作られたのかとても興味深いです。




香ー薫物合を基とする


青磁香炉銘千鳥は 駿府お分け物(徳川家康が残した財宝を徳川三家に分配したもの)

持ち主であった秀吉が枕元に置いて寝ていたら石川五右衛門があらわれ盗まれそうになった。が蓋の千鳥が鳴き、それに気がついて起きた秀吉によって石川五右衛門は捕えられた、とか。






このメモを書いて1ヶ月が過ぎたのであとはメモそのままです。


【奥道具について】


奥  大名家族自身のプライベート空間

和歌を読み絵画音楽文学に親しむ


桐でできて13弦あるのを箏の琴という

女性の嗜みとして学ばれた

青海波という銘は波模様の模様が胴の横に着いていることから。



【初音の調度】


家光の長女千代姫が3歳で尾張徳川家に嫁いだ際の婚礼調度が2つの蒔絵として初音蒔絵、胡蝶蒔絵の二つがある


年月(としつき)を まつにひかれて 経(ふ)る人にけふうぐひすの 初音(はつね)きかせよ


「初音の調度」の名前は源氏物語「初音」の段で明石の君が明石の姫君に送った歌に因んでいる。

3年で数百の丁度を作った。


【源氏物語絵巻】

現存最古の作例12世紀前半

作絵 墨の線に彩色、最後に顔を書いている。特徴は引目鉤鼻 吹抜屋台 抄出文。


展示される作品は4期に分けひとつずつ。私が見た時は「横笛」女三宮と恋に落ち、それが光源氏にバレたショックで若死にした柏木。その柏木の形見の品である横笛を貰った夕霧。試しに横笛吹いたら柏木の夢を見た。夕霧の正妻雲居の雁が、モノノ怪が出たぁと大騒ぎしコメを巻き散らかす。横髪を耳にかけるなど所帯染みた姿の雲居の雁と柏木のことで思いをめぐらせる夕霧の対比。

深い理解と共感、華麗な彩色ひときわ高い格調と説得力。


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