公演が終わるまで、

特にトスカが終わるまでは、

泣かない、書かない、と決めていた。



でも、考えないようにする、のではなく

いつも想って歌いきろうと、決めていた。


門下生でもないのに、

ほんとうに物凄く可愛がってくださって、

お会いするといつも、組んだ腕を離すことなく、

いつまでもいつまでも、

お優しい笑顔を向けてくださりながら、

良い話も悪い話も(笑)してくださった。


1月に会えると思って、

その前にトスカは聴いてもらいたくて、

でも全部叶わなくて。


でも、もしかしたら、

「そんなんじゃなくて僕が歌った方が良いよ。

                                僕だってまだ歌えるんだよ♪」

とおっしゃって、

隣で歌ってくれていたスカルピアは、

先生だったかもしれない。

Va, TOSCA...

先生のお声だけが、私の耳に響いていた。

2幕も、振り向いたら先生かもしれない、

そんな期待を胸いっぱいに抱えて、

精一杯演じ歌った。



人は世代交代と言うけれど、

私はまだ、まだ、まだ、まだ、

先生に手を引いてもらわないと歩けない、

ひよっこだ。

先生が思っているよりずっとひよっこだ。

まだ置いていかれたら困るのに。

まだ沢山伺いたいことがあったのに。


トスカの公演が終わって、

やっぱり悲しみと寂しさが襲ってくる。


先生。

何処にいるんですか?

私のトスカ、どうでしたか?

楽屋に来て一緒に文句言ってくれませんか?

私、先生に沢山救ってもらったんです。

だからこれからも頑張らなきゃいけないんです。

だから、だから、、、

先生。

ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

どうか、見守ってください。