父の通夜の日に割り箸が必要になり

そうだ、父が実家の空き缶の中に大切にたくさん取っていた割り箸があったと

思い出し、葬祭場に何本か持って来た。

お弁当を食べるとき、その中の1膳に見覚えがあった。


まだ夫が生前だったとき、長男の下宿先の大阪に

父と母と、夫と訪ねていき

みんなでファミリーレストランで食事をしたときの

そのお店の割り箸だった。


箸袋に入れられたまだ未使用のその割り箸は、

父の通夜の日に、偶然にも私が手にすることになった。


食べログで、もうそのお店は閉店して取り壊されていたことを

私はすでに知っていたから、

驚きだった。



父は、食事したお店の名前の入ったものを記念に持ち帰る人だった。


元気なときに、その話がしたかったなと、


今になって思います。