渡米直前まで、日本の会社の国際部門で、人事業務も担当しており、
一時期、ビザ取得業務にも携わっていたので、
今回のブログでは、アメリカビザについて書いていきます。
ビザの種類
アメリカのビザは、アルファベットから始まる文字で分類されています。
例えば、外交・公用ビザはAビザ、短期出張・商用ビザはBビザのように、
AからVまでのビザ種があります。
その中で、このブログの中で触れるのは、非移民ビザであるEビザとLビザです。
非移民ビザとは
非移民ビザとは、ビジネスや芸術、スポーツなどの様々な分野において、
目的を達成するために特定期間を米国内で過ごす事を希望し、
実際にアメリカ国内で具体的に活動する外国籍の人に対して発給されるビザです。
以下に該当する場合は、必ず非移民ビザを取得する必要があります。
- アメリカへの移住を目的としない
- ESTA(電子渡航認証プログラム)で認められた期間(90日)を超えてアメリカに滞在する外国籍の人
非移民ビザ申請の場合、必要書類を提出し、大使館・領事館で面接が必要です。
非移民ビザを申請する場合は、大使館・領事館での面接の際に、
以下の2つの点についてしっかりとした意思表示と証明を行う必要があります。
- 米国と居住国との間に強い繋がりがある事
- 米国で一時滞在した後は必ず日本に帰国するか米国を出国する意思がある事
申請にかかる時間
EビザもLビザも、通常案件では2~3か月をかけます。
まれに急ぎでビザ申請をする必要がある場合、
それなりに経験がある人が担当すれば、1か月位ではビザが取得できます。
Eビザの種類
Eビザには大きく分けて2つの種類があります。
- E-1:米国の現法が日米間の貿易を行っている場合
- E-2:米国に投資を行っている場合
TDYの前にEがついているので、Eビザのカテゴリーだけれども、
短期間の用務で渡米したいという時に利用できます。
30歳未満で、少し経験が足りないと判断されてしまいそうなケースでの
Eビザの有効期限
E2ビザの有効期限は最長5年ですが、
投資先の企業や事業が存続していれば、再申請によって延長が可能です。
- ビザの期限
- I-94(滞在期限)
I-94
I-94とは滞在期限です。
I-94上の滞在資格・滞在期間が有効であれば、
例えビザが切れていても米国滞在を続ける事に問題はありません。
逆に、I-94の期限を超えて滞在した場合は不法滞在になります。
ビザの期限内であっても不法滞在となり、
それと同時に入国時に使用したビザも無効になります。
不法滞在期間が180日以上1年未満の場合は出国した日から3年間、
1年以上の場合は出国した日から10年間はアメリカへ再入国できません。
I-94に記載される滞在期間はビザの種類などによって異なります。
ビザ種に関わらず、パスポート有効期限まで2年をきっている場合は、
パスポートの有効期限までが、I-94の期限となります。(①I-94は2年以下)
パスポートが2年以上ある場合の滞在期限は以下の年数がもらえます。
- Eビザ:入国のたびに2年②
- Lビザ:3年②
- ブランケットL:3年またはI-129Sの期限まで③
つまりは、①~③の短い方の期間までのI-94(滞在期限)が与えられます。
ビザから話は少しそれますが、ドライバーズライセンスの期限は、
I-94かビザ、どちらか短い方の期間までとなります。
I-94の期間は、入国審査官の裁量によって決定されてしまうので、
残存期間が十分あったとしても本来許可される期間よりも短くなる事や、
間違えている事も多々あるので、アメリカを出入りした場合は、
I-94の確認が必要です。I-94は、こちらから確認できます。
家族のEビザ
Eビザを取得した人の配偶者や21歳未満で未婚の子どもが、
一緒に渡米する場合には、家族用のEビザ申請を行う必要があります。
家族用Eビザを本人のEビザ取得と同時に行うには、
面接時に配偶者および子どもの同席が必要ですが、
14歳未満の子どもは同席する必要はありません。
21歳以上の子どもを帯同する場合は、家族用Eビザは取得できないので、
B2ビザやF1ビザ等を申請する事を検討する必要があります。
家族ビザの補足として、配偶者の就労ビザについて書きます。
以前までは配偶者が働く場合はEAD(就労ビザ)を取得する必要がありましたが、
2022年1月31日以降に、Lビザ/Eビザ保有者の配偶者が米国に入国した際、
発行されるI-94フォーム上で、ビザステータスの表記にSが追加されています。
L-2S、E-1S等と表記されています。
Sが記載されたI-94を保持した配偶者は、EAD申請なしで就労が可能です。
アメリカあるあるですが、私は2022年1月31日から今までの間に、
5回のアメリカ出入国履歴がありますが、なぜかSが付きません…
Lビザの種類
Lビザは、同系企業間で異動する管理者または専門的な知識を
持つ人ためのビザです。
現法でManagerial Positionに就く申請者はL-1A、
Specialized Knowledgeを有する申請者はL-1Bを申請します。
Lビザの条件をクリアした上で、いくつかの条件をクリアした場合は、
ブランケットLビザを取得できます。
Lビザの有効期限
- L-1A:最初3年更新して更に2年更新して更に2年(最長7年)
- L-1B:最初3年更新して更に2年(最長5年)
Lビザホルダーは、以下3つの期限の管理が必要です。
- ビザの期限
- I-94(滞在期限)
- PEDの期限
Eビザの場合は、ビザとI-94の2つですが、Lビザの場合はPEDの管理が加わります。
PEDとは米国で就労可能な期限の事で、Petition Expiration Dateの略です。
通常、有効期限は就労開始日から2年あるいは3年後で、
ブランケットLビザの場合、I-129Sという書類とビザ面の右下に記載されています。
家族のLビザ
Lビザを取得した人の配偶者や21歳未満で未婚の子どもが、
一緒に渡米する場合には、家族用のL-2ビザ申請を行う必要があります。
家族用Lビザを本人のLビザ取得と同時に行うには、
面接時に配偶者および子どもの同席が必要ですが、
14歳未満の子どもは同席する必要はありません。
21歳以上の子どもを帯同する場合は、
B2ビザやF1ビザ等を申請する事を検討する必要があります。
配偶者の就労に関しては、Eビザ同様にI-94にSが付いていれば、
EADがなくても就労可能です。
EビザにするのかLビザにするのか
EビザになくてLビザにある特徴として、Lビザには国籍の条件がありません。
従って、日本国籍の会社が、外国籍の社員をアメリカの会社に派遣する場合、
Lビザを申請する事で派遣する事ができます。
国籍以外にも、現法の会社の特性やビザ申請者の職歴等によっても、
ビザ種別は変わってくるので、
私が在籍している会社はビザ申請の代理店と申請を進めていました。
ビザ申請は、自社だけでもできなくはないですが、
ビザ情報はちょくちょくアップデートされる事と、
代理店はノウハウを持っているので、ビザ許可率を上げる事に繋がります。
書類不備は一見、ビザ否認には思えないですが、
アメリカ的にはビザ否認とイコールで、今後、日本に帰任となり、
プライベートでアメリカ旅行に行く際にESTAの申請はできなくなり、
Bビザ等を申請しないと、プライベートでも遊びに行けなくなる可能性が…