今週土曜日から、春の新潟開催が行われますね。


昨年の10月5日以来、約7ヵ月ぶりの開催です。


新潟は唯一、芝のレースは年間を通して野芝100%で競馬を施行します。


この5月は野芝がまだ生育途上のため、草丈は短めで、6~9㎝。

ちなみに、昨年の開幕週も6~9㎝でした。

(念のために書いておきますが、草丈が短くても時計は速くなりません!その理由を知りたい方は、「馬場のすべて教えます」をお読み頂ければと思います)




新潟の芝コースで留意しなければならないポイント。



「新潟は全ての開催の開幕前に、バーチドレンによるエアレーション作業」を行っているという事です。



JRAはこの数年、「軟らかい馬場造り」を進めており、その一つが、バーチドレンという機械を開幕前に芝コースに入れて穴を開け、馬場の硬化を防ぎ軟らかくするようにしています。



バーチドレン作業中(中山競馬場での作業の様子)


詳しくは、「馬場のすべて教えます」に書かせて頂きましたので、そちらをお読み頂ければと思います。


開幕前にこの「バーチドレンによるエアレーション作業」をすると、馬場が柔らかくなります。



同様にこの作業を行っている秋の中山開催もそうだったのですが、この手法を取り入れると、「開幕週に逃げ・先行一辺倒のレースではなく、差しも決まる」という傾向が出て来るようになりました。



新潟でこの「開幕前のバーチドレンによるエアレーション作業」を始めたのは、2013年の夏開催前から。


5月の1回開催前にこの作業を初めて行ったのは、2014年です。


そこで、14年1回新潟全8日間(Bコース)と、13年1回開催全6日間(Bコース)の勝率を比較しました。


13年ー逃げ12.5% 中団差し6.4%

14年ー逃げ9.8% 中団差し7.1%


ペースの問題もあるので単純比較は出来ないかもしれませんが、昨年の傾向では逃げ馬の勝率が減り、中団からの差しが増えています。


実は、昨年の夏の新潟開催も開幕週から差しがよく決まっていました。

馬場が軟らかくなってきたことで、差し有利の傾向が出てきているのかもしれません。


では今年はどうなるのか?



JRAのホームページの「馬場情報」にある「馬場概要」を見ると、


http://jra.jp/keiba/baba/index3.html



「馬場の硬化防止のために、エアレーション作業を行いました」と記載されています。


実際に先日、新潟競馬場、施設整備課の鹿内課長にお話を伺ったところ、「2月末から3月初旬にかけて馬場全面にバーチドレンを入れました」との事でした。


ちなみに、去年は3月上旬から中旬にかけてこの作業を行っているので、今年は少し時期が早かったですね(これがもしかしたら、微妙な違いを生むかもしれませんが)。


ですから、今開催前も、「エアレーション作業」を行っています。


という事は、やはり逃げ・先行が有利の馬場ではなく、差しも決まるような馬場になるのかなという印象です。



そして、ホームページの馬場情報にも記載されていますが、今年は例年以上に野芝の生育が良いとの事。

ただし、昨年は例年以上に夏の開催日程が長かったので、昨年の傷んだ箇所が戻りきっていない所もあるようです。 


また更に注意したい点が!!


新潟競馬場も4月24日から5月1日(金曜)の正午まで、雨が全く降っていません。


ですから、ある程度乾燥した状態になっていると思います。

(JRAは芝の生育に必要な散水はしますが、馬場状態に影響を及ぼすような散水はしませんので)



これが、走破タイムにどう影響するか。

どちらにしても、馬場は生き物です。


新潟の芝コースの傾向は土曜日のレースをよーく見て、チェックしましょう。



それから今週、天皇賞が行われる京都の馬場。


京都も1週間以上、雨が降っていないし、土曜に予想最高気温が30度の見込みなので、芝コースは乾燥した状態になっていくと思います。



つまり、含水率は低くなる。


含水率が低くなると、走破時計は速くなる傾向になります。



だから今週の京都の芝コースは先週よりも時計が速くなる可能性もありそうですよね。



「馬場のすべて教えます」にも書いていますが、走破時計に影響するのは草丈ではなく、路盤の状態です。


そんな視点を持って、今週の芝のレースを見ると面白いかもしれません。



京都の馬券は今週も、先行馬や内枠の馬、瞬発力のある馬を中心に買いたいと思っています。



コジトモ