奇跡のバックホーム
あらすじ
高校野球の名門高・鹿児島実業出身、ドラフト2位指名を受けて阪神タイガースに入団した横田慎太郎。
将来を嘱望されたルーキーとして、その期待に応えるように、慎太郎はプロ3年目に「2番・センター」で開幕スタメンを勝ち取る。
しかし、その年の秋口から原因不明の頭痛と、ボールが二重に見えるという症状に悩まされる。
そして2017年2月、活躍が期待されたプロ野球シーズン直前、沖縄での春季キャンプ中に身体が限界に達し受診。
精密検査の結果、思いもよらない「脳腫瘍」との診断を受け、医師から「野球のことはいったん忘れてください」と言われて慎太郎は頭が真っ白になる。
心が追い付かないまま入院を余儀なくされ、18時間に及ぶ大手術を終えた慎太郎を待っていたのは、過酷な闘病生活だった。
けれども、家族をはじめさまざまな人に支えられ、持ち前の不屈の精神で病魔と闘い半年後に寛解。
退院後は育成選手契約となり、1軍復帰を目指す慎太郎だが、体力は回復するものの目の状態だけはどうしても戻らない。
2年が過ぎた9月中旬、いつも気にかけてくれている担当スカウトの田中秀太からこう切り出される。
「素直に言ってくれ。正直、来シーズンは厳しいだろう?」
慎太郎は、涙を流し「はい。苦しいです。」
慎太郎の野球人生最後の試合は、2019年9月26日、1096日ぶりの公式戦。
その8回表二死二塁の場面、開幕スタメンを勝ち取った時と同じセンターの守備位置へとダッシュで向かう慎太郎。
その直後、誰もが、慎太郎自身でさえも予想できなかった「奇跡のバックホーム」が起きる。
この本は、横田慎太郎の生い立ちから現役引退後、そして脊髄に腫瘍が生じ2度目の闘病生活を終えるまでが書かれた感動の実話である。
グッときたポイント
「プロになる」という目標に向かって決して手を抜かない努力の人、横田慎太郎さん。
そうして幼い頃からの念願が叶い「プロ野球選手」として、順調に動き出した直後のまさかの脳腫瘍発覚。
私なら間違いなく自暴自棄になり、誰かに何かに当たり散らすであろう状況にも、感謝を忘れずに前向きに立ち向かう姿に感動と尊敬を覚えました。
そして、横田さんを支えるご家族の大きな大きな愛にも頭が下がる思いです。
この本1冊いたるところに散りばめられている、彼の人柄や生きる姿勢全てにグッときて「横田慎太郎」という人をもっともっと知りたくなりました。
現に私は今、ネットなどを検索しまくって彼を探しています。
「真面目」「何事にも一生懸命」「謙虚」「純粋」「天然」「愛されキャラ」などなど、嫌われる要素が見当たらない人、知れば知るほど早過ぎる旅立ちが本当に残念でなりません。
こんな人におすすめ
- 目標を見失っている人
- 困難にどう立ち向かって行くべきか悩み立ち止まっている人