元気で活発な私
明るいだけが取り柄だった

彼と別れ しばらく仕事を休んだ
 
その後出社した私
同僚や上司は
みんな 二度見するほど
私は変わり果てていた

私に何があったかは
噂話で 直ぐに広まった

誰かに話かけられると
自然に涙が出て
仕事どころではなかったが
そうは 休める訳もなく
月日が解決してくれるのを
待つだけだった

見兼ねた職場の男友達が
ある男性を紹介したい と
写真を持ってきた

写真を見ても
会いたいとは 思わなかった
理想とは 大きくかけ離れていた

とりあえず 会ってみなよ

友達は日時や場所を設定してくれた

当日は友達も一緒に三人であった

時間通りに来た写真の彼
見せてもらった写真とは
違う印象だった

特別かっこいい訳じゃなく  
趣味が合う訳でもなく 
ただ  気遣いの出来る人だと
話す中で感じた
何より私を救ったのは
その彼の笑顔だった  

しばらく笑うことがなかった私
その彼の笑顔は私を笑顔にした

当時は携帯などもちろんなく
お互い 家の電話番号を教えて
たわいもない話をして
その日は 終わった

数日後 友達に電話する事を進められ
会った時に ご馳走していただいた
お礼もあったので 私から電話をした

彼の話方は 穏やかで
今度夜景でも 見に行きませんか?
と  デート?  に誘われてた

団地住まいの私は 待ち合わせ場所を
家から離れた 場所を選んだ

何故?   
別れた彼の両親は団地住まいを嫌った 
「あんな所に住んでいる人は…」
反対する理由の一つだった

だから  家まで迎え行くと言ってくれたが
うまく断った

待ち合わせ場所に 来た彼は
私を飽きさせないように
色々話しをしてくれた
途中 コンビニで オレンジジュースを
買って  ハイと 手渡してくれた
優しさが  新鮮だった

車は山道を上がっていった
時々見える夜景
でも  私はそれどころではなかった

元彼と別れてから 食事も取れず
体調はかなり悪く
大した山道ではなかったが
車に酔ってしまっていた
飲んだオレンジジュースが
輪をかけて 気持ち悪くさせた
 
止めてください!

驚いた様子で車を止めてくれた
私は 飛び降りるように
車から 降り  彼から離れた
「大丈夫?」

来ないで!

私は 吐いてしまった

見っともない姿  
最低

そんな姿の私にも
彼は優しかった
「大丈夫? ごめんね  運転下手だったね」

その言葉に救われた

ごめんさい
せっかくのデートなのに…

彼に全く比はなかったが
その優しい気遣いが
とても嬉しかった

綺麗に見える夜景の中
私は いろんな事を話した
長く付き合っていた彼がいた事
結婚が  破断になった事
団地住まいな事
私自身の人にあまり知られたくない事
など   多分言わなくても いい事まで
喋り続けた

彼は黙って聞いていた

しばらくして  彼は
笑顔で 言った

なんか 変わった子だなーと
思ったけど 素直なんだね
今話してくれた事
俺には なんでもないことだよ

さーて  そろそろ帰ろうかぁー

拍子抜けした 私

何故 こんなに 言わなくてもいい事まで 
話したのか
私の中に もう傷つきたくないと
思う気持ちがあったに違いない

待ち合わせ場所まで送ってもらい

今日はごめんなさい
と 私は言って別れた

その後も彼はデートに誘ってくれた 

彼から付き合って欲しいとか
そんな話しは 無く  
でも私は 誘われたデートは受け入れていた
 
デートを繰り返しているうちに
私も笑顔が増えた

ぎこちない 喋り方も お互い
気楽に話せるようになっていた

何気に私から聞いてみた

「私達  付き合ってるの?」

「えっ? 付き合ってないの?」

自然な彼の 振る舞いが
心地良かった  

でも  彼が  好きなのかは
わからなかった

ひどい女ですよね

私は 父に 新しくお付き合いを
はじめた方が いる事を話した

父は結婚が破断になった事に
責任を感じていた

だから 父を安心させたかった

私は  好きか どうかではなく
新しい彼が出来た事で 
私は大丈夫と 示したかった

父は 喜んでいた

そんな父の姿が私も
嬉しかった

でも その彼と
こんなに早く結婚する事になるなんて
思ってもいなかった