とらわれない、ということ(柳のようなたおやかさ)
あなたは、「とらわれる」、というと、
どのような状態を、イメージされるでしょうか?
「こだわる」、「とらわれる」、とは、
仏教で言うところの、煩悩です。
物凄く簡単に申し上げますと、人間の欲、そのもの。
それらの欲によって、人間の感情は乱され、
悩み苦しむこともありますし、快楽を感じることもできます。
これがある故に、「わずらわしい」のが人間の人生です。
苦しみの素になる、わずらわしさ。
喜びの素になる、わずらわしさ。
人間は、日々の生活の中で、
目の前の、出来事、事象、人、に直面したときに、
- 「これはいい事だ」「これは悪いことだ」
- 「これでは駄目だ」「これなら良しとする」
- 「これは好きである」「これは嫌いである」
と、判断します。
人間の大好きな、比較、評価、判断、です。
以前もお話いたしましたように↓
【前記事】ほんとうに、大切なもの
人間だけが、このような「思考」にとらわれています。
自我がある、ということが、
人間として生きる、最大の、
喜びでもあり、苦しみでもあります。
---------------------------------------------![]()
仏教には、「諸行無常」、という教えがありますよね。
「諸行」とは、万物を含めた、あらゆる事象のことです。
「無常」とは、つねに移り変わる(縁起する)ことです。
あらゆる現象は、変化し、止むことがないというわけです。
つまり、すべてのものは、
無から生まれて、また無に消えていく。
すべては、変転して、移ろいゆくもの。
なにひとつ、定まるものはない、ということです。
要は、人間が思い込んでいる真実など、
全て錯覚だと、説いているのです。
人間が世界を動かしている、というのは、
驕りであり、そして、幻想です。
もっと、大きな力が、この世の中には働いています。
一生懸命に生きることは、大切です。
ですが、ベストを尽くしつつも、
「流れに身をまかせる」ということも、重要なのです。
そこと、調和する、ということが、大切です。
「そこ」は、あなた自身の心の声、かもしれません。
必死に、「自分だけで」なんとかしようとして、
物事が上手くいかなかった経験は、ありませんか?
それぞれの事柄を判断し、
それらに心がとらわれるために、
「恐れ」や「不安」が生まれるのです。
- 「~」って思われるのではないか、
- 「大切なもの」を失うのではないか、
- 失敗するのではないか、不幸になるのではないか、
という気持ちがおこるわけです。
人間が、苦しむとき、
その裏には、必ず、恐れがあります。
あなたの、「~でなければならない」は、なんでしょうか?
あなたの、その、「とらわれ」は、どこからきたものですか?
それは、あなたにとって、どのように、重要なのですか?
それを、手放してみると、なにがおこるのでしょうか?
すべてから、解き放たれたとき、
そこには「凛とゆるがない」自己が、存在するのです。
このことを、心理学者のカール・ユングは、
「自我の超越」(トランスパーソナル)と呼び、
仏教では、「悟りの境地」、と呼んでます。
心理学では、トランスパーソナル心理学、と、
言われる分野であり、「自我の確立」の次の段階です。
人間の人格は、個人性(=パーソナリティ)、
の段階で終わることなく、他者・社会・宇宙との、
一体感・同一性に帰する、ということです。
イルカには、「わたし」「あなた」という「区別」がありません。
イルカの世界では、わたしもあなたも一体化しているのです。
ですから、彼らの間には、競争や闘争が、存在しません。
これこそが、まさに、「とらわれない」、ということなのです。
---------------------------------------------![]()
ここから、わかることは、なんでしょうか?
大切なのは、「~でなければならない」
という思考をやめることです。
例えば、あなたが、「ポジティブ思考で生きる」、
と、心に決めていたとします。
しかし、ある出来事にとても落ち込んでしまいました。
そのとき、あなたは、
「どうしよう!ネガティブなこと、考えちゃった!まずい!」
「だめだめ!ポジティプに考えなくちゃ!」
このように、考えている時点で、「とらわれて」います。
無理に、思考を転換しないでください。
だって、それが、あなた、そのもの、なのですから。
「あ、今、とらわれているな」
「こんなわたしも、あるよね」と、認めるのです。
仏教で、「悟りの境地」という言葉はありますが、
本当の悟りとは、「その状態」を「悟り」とも見なさない、
「あるがままをすべて受け入れる」ということ、のようです。
そういった枠組みで捉えている時点で、
それは、「悟り」ではないのです。
好きな自分も、嫌いな自分も、
ぜんぶ、受け止めてあげてください。
そして、好きになってあげてください。
あなたらしく、楽に、自由に、生きていくには、
「柳のようなたおやかさ」、が、とても大切です。
ここで、ちょっと、
目をつむって、みてください。
あなたが、今、「柳」であるとイメージしてください。
あなたは、ゆらゆらと、揺れています。
あなたは、たおやかに、流れに身をまかせています。
あなたは、すべてから、開放されています。
「判断」のない、世界です。
あなたが、明日、そのように、生きたとしたら、
どんなあなたが、見えてくるでしょうか?