KG大での授業の2回目。
 社会福祉学特論という科目名ですが、副題として司法福祉論を付しています。

 今日のテーマはこのようなものでした。
 犯罪の動向から見た司法福祉の課題 
  平成20年版犯罪白書から読み解く
 ―高齢犯罪者の実態と処遇―

 この平成20年版犯罪白書では、「高齢犯罪者の実態と処遇」が特集として扱われています。

 これは高齢犯罪者の増加が著しいという状況が問題となっているからです。
 当然、全体の高齢化率が上昇しているので、高齢犯罪者は増加しているのですが、それだけではありません。

 以下は、各年代別の犯罪者率(人口10万人中の犯罪者率)です。
     平成10年    平成19年
60歳代   約100      230
70歳代   約50 155.8

 ちなみに、10歳代は1222.2です。。
 その意味では少年非行の方が問題と言えるのですが、少年非行の方は減少傾向にありますので、増加率でいうと高齢者に目が向くという訳です。

 さて、その中でも、65歳以上で初犯という人が55.3%いるのです。
 つまり、それまで犯罪と無縁だった人が犯罪に関わるということが言えます。
 齢重ね、好々爺となるという人ばかりではないのでしょう。
 
 そして、その人たちのうち、一人暮らしは23.1%。
 さらに受刑歴のある上で、再犯をした人ではなんと77.9%
 65歳以上の一人暮らしの高齢者の比率が15.7%(平成18年)ですので、かなりの高率といえるでしょう。

 そんなことから、犯罪性の進んだ高齢犯罪者の孤立化ということが言えるでしょう。
 住居不安定、無収入、周囲に保護・監督する者がない、経済的に不安定な状態、自立能力に期待できない
 こんな状況にある人に対する福祉的な働きかけをどのように考えるのかが、これからの課題と言えるでしょう。

 こんな授業でした。