月夜に 静かに耳を澄ますと 秋の虫の声 さまざまな無数の生命の息づかい 羽を震わせその音は 私の思考の高い位置を横に流れる 虫たちは草の陰にしっとりと身を潜め 想いを寄せると細部まで見える 草の繊毛や維管束を流れる水分 土の微生物 ミクロの世界まではっきりと思い浮かぶ 上空を見上げると大きな月と瞬く星 想像すると ずっと宇宙から地球までも見えるのに あなたの心の中は 私にはまだ 見えません 私はわたしである 私はあなたでもある