頑張れ、お母さん!ここにいるからね。

処置室に入る母に 姉と二人で声をかけた。


 

どのくらいかかるの?

うーん、一概に言えないけど

胆道が造影できる所までは早いよ。10分もかからないと思う。

でもそこからガイドワイヤーが入るか、とか

ステントが入るか、とかはまた

別の話だから・・・

 

母が入室して 次々と

消化器内科か放射線科の先生たちが入っていく。

人数がVIP待遇、と姉を笑わせてみる。

 

 

と。30分ほどたったとき

ひとり、またひとりと

医師が出て行った。

 

 

「・・・なになに?どうしたの?」

「お姉ちゃん、多分上手くいった。もうすぐ出てくるよ。あと15~20分だと思う」

 

 

昔 中で処置をする方だった私

最初に沢山の医師が集まるのは

上手くいかない時は手を変える、というのが

成功への可能性だと知っているから。

そして場合によっては

そのままPTCD/PTGBDへ変更することもある。

みんなが出て行く時間が早いと言うことは

もういる必要が無い=後の処置は簡単 ということ

 

 

涙がでて、手を貸してくれた人々、目に見えないもの

いろんなものに感謝した。

それしかできなかった。

 

 

そんなときにケータイに電話。

私が昔いた医局のセンパイ医師から。

県内の病院にいらっしゃる肝胆専門の先生。

減黄処置がされてない、担当医にもすぐ会えない、

でも合併症がコワイ、時間が経ってるということで

もし進まないなら外科で処置してくれないか、と

直接お願いしようと伝言をのこしていた。

ちょうど返信の形で来た電話は

処置室の中から一人の医師が出てきて

「ステント、入りましたから」と教えてくれた時。

 

 

ステントが入ったことを伝え

お時間戴いて電話いただいたことに感謝を伝えた。

 

 

今の状況ではベストの結果になった。

さ、あとは落ち着いたら家に連れて帰ろう。