「時間がかかることも必要」②
義理母と目が合い、思わず挨拶をしてしまった私。
心臓はバクバク。
顔はこわばる。
孫の顔を見て、
「あら〜久しぶりだね〜。大きくなったね〜。」
私は、何も返答ができなかった。
意地悪で返事をしたくなかったのではなく、
身体全体が、凍ったようになっただけなのだ。
20年以上も前の事なのに、
その場面は、写真で撮ったように、
今でもはっきりと思い出されてしまう、、、
義理母が立ち去った後、
自転車の前に三女を乗せたまま、
自転車を動かして、帰ろうとした。
足が動かなかった。
力が入らないのか、
地面に張り付いたような感覚か、
震えてしまうのか、
覚えていないが、、
一歩をふみだせなかった。
3歳の娘が、私の異変に、
「お母さん」と声をかけてきた。
「ごめんね。ちょっと待ってね。
今、行くね。ちょっと待ってね。」
私はそこから、1時間も動けなかった。
今も目の前に突然現れたら、
体がどう反応するかはわからない。
当時のように、夢には出てこなくなったし、
私も年齢を重ねた。
30代初めとは違う。
何か言われたら、たとえ心臓がバクバクしても、
聞きたいことが聞ける。
強くなったと思うから。
本当に傷がついた心が回復するのは、
無理に前向きと思っていても、
時間がかかる事はある。
そんな時は、諦めて、
時間が解決することだからしょうがないと
思うしかない。
躍起になって、どうにかしようと思って、
心が窮屈になるより、
諦めた途端に、ゆるくなるはず。
「時間がかかる事も必要」
時間がかかるのだから仕方ないと、
自分を許す事が大事だと思う。