
最初の晩は、ソナタ&パルティータ第一番です。
その準備もしておりますが、それと平行して、9月末のドイツでの演奏会の準備も始めています。
その演奏会は、彫刻家のエバーハルド・ヘリンゲ氏の80歳のお誕生日を祝う演奏会で、北ドイツのCANTart音楽祭の主催です。
http://www.herford.de/index.php?object=tx%7C2044.6.1&ModID=11&FID=1470.6052.1&NavID=2044.69&La=1
ヘリンゲ氏の代表作を7つ紹介し、それとともにテキスト朗読や、音楽が演奏されます。
その作品がやっと選ばれたので、おおよそ決めていた曲目も、氏の作品がやはり第一ですので、もういちど練り直す必要が出てきました。電話で話しあい、私の中でも、何をひくのかがハッキリ具体的になりました。
最後にシャコンヌを弾く予定でしたが、最後に紹介されるのが「新しい人生」という作品で(インターネットで公開されてないので、残念ながら、ここではまだご紹介出来ません)、実際にその作品を見た私 ー 奥様を亡くされ、深い悲しみから、再び生きる喜びを見いだしたヘリンゲ氏のことも存じておりますので、その作品への思いや、氏の希望、生きる活力、喜びを理解出来るのです。それには、シャコンヌではなく、むしろ、ソナタ第三番のフーガが相応しいのでは・・・と感じます。
去年の11月の日本でのリサイタル以来、この作品を弾くのは久しぶりなのですが、そのように私の直観が教えてくれたので、電話の後に、ソナタ第三番のアダージョとフーガを弾きたくなり、ヴァイオリンを取り出しました。
バッハの無伴奏ヴァイオリンの作品は、どの作品も大好きなのですが(一番好きなものを選ぶのは本当に無理で、どれもどれも、一番好き!)、このアダージョとフーガの平和な調和のとれた美しさは格別です。喜びと讃美の心で歌い上げる素晴らしい作品だなあと、改めて感謝の念に包まれました。
私はどのような思いで、当時,この作品に取り組んでいたか ー それらすべての経験が無駄でなく、むしろ作品に光と影の深みを与える素晴らしいエッセンスとなっていて、そして今、こうやって再びこの作品と向かい合い、新たな発見や素晴らしさの再確認をでき、大きな喜びと感謝で、この音楽が我々人間に与えられていることは、なんと素敵で幸せなことなのだろうと思ったのでした。