
私の師匠、エーリッヒ・ホェバルト(ヘーバルト)先生がプリマリウスをつとめるカルテット、モザイク弦楽四重奏団によるシューベルトのD87と、D804「ロザムンデ」です。
ガット弦を使用した独特の柔らかい響き、そしてウィーン的な様式感がモザイク弦楽四重奏団の素晴らしい特徴ですが、この演奏も心が潤い、慰められる大変美しい演奏です。
先生はものすごいテクニックをお持ちで、でも、けっして聴いているものを圧倒するような、そういうきらびやかなものではなく、その演奏は自然で、聴いているものは、元からこういう音楽が存在していたかのように、空気をすっているかのように居心地よく受け取れます。
滑らかにしっとりと歌う、先生のヴァイオリン。
その優しく高貴な響き、リズムの緩め方、締め方、その絶妙さ、このセンスはすぐに見よう見まねで出来るものではありません。
やはり彼しか出来ない特別な、天才的な才能なのだと思います。
ものすごく音楽的で、本物の芸術家として、私は心から尊敬しています。
シューベルトはこう弾かれるべきもの・・・と思ってしまいます。
ああ、シューベルトの音楽はなんと美しい・・・!
私の気持ちにぴったりと合う、優しいお友達。そう感じます。
譜面の上だけでは音楽は凍ったままですが、演奏家がその音符に命を吹き込むことによて、シューベルトの魂が現代の私たちの所に蘇り、その魂は「水を得た魚」のようにすいすいと自由に美の世界を歌うのです。
時を超えた永遠の生命。
シューベルトの息吹を感じ、私は先生たちの演奏に感動するのです。
みなさまにも、ぜひお勧めの一枚です。