「いつまでも、先生、長生きして下さい」という手紙を頂きますが、でも、ぼくは「何、いうか」と思ってね(笑)。

長生きをするってことは、何もせん事ですよ。酷使しなければ、物はつくれない。

ゆっくり寝て、何で物ができますか。物をつくる人間ってのは危機の中にあって、初めて物が出来るんです。

だから、道元も正岡子規も危機です、結核という使途の戦い、危機の中で作品をつくりだしていったんです。これは物をつくる人はみんな、そうです。宗教家は別ですよ。物をつくる人間ってのは、危機の中で初めて生まれてくる物が、人を活かすものになるんです。ゴッホなんかも、自分の耳を切ったりしているでしょう。

だから、ゴッホだって、何だって、聴きの中で、自分の生命を燃やしたから、その作品が今日、人を活かしているんです。

(省略)

結局は自己との闘いです。物をつくる人間というのは、自己との闘いの中で作品を作っていくのが本当です。