
「土曜日はお庭のサクランボをとりにいらっしゃいね」と、Eさんこと、私のウィーンのお母さんからお誘いがありました。
長女はお誕生会に呼ばれて出かけていましたので、次女と一緒にお邪魔しました。
二人のお客様もいらしていて、お庭で美味しいお菓子とお茶を頂きました。とてもエレガントな素敵なご夫妻でした。そして、次女と私がヴァイオリンのデュオを演奏、私はカルメンを弾きました。
お楽しみのサクランボは、そのあとです。ウィーンのお父さんFさんと一緒に、次女はサクランボ収穫に燃え、私は大きなサロンで練習をしていました。
このお宅には、とても素晴らしいベーゼンドルファーがあるので、ついピアノも弾きたくなります。久しぶりにモーツァルトのピアノソナタK331の第一楽章を弾きました。ああ、深みのある素晴らしいピアノです・・・私の大好きなピアノです。
いつの間にか、Fさんがソファに座って私のピアノを聴いていました。
「君は音楽をしている時、不思議と輝いているね。オーラがほわーっとでている。別世界にいるんだね!」とおっしゃいました。
確かに私は弾いている時は別世界に入っているかもしれません。その音楽の世界にいるのです。
私はヴァイオリンを再び手に取り、言いました。
「では、Fさんのために、ベートーヴェンのロマンスを弾きます」
演奏の途中でEさんも入ってきました。
「ベートーヴェンは素敵だわ・・・」
そうおっしゃって、お庭に咲く美しいピンクのバラをくださいました。

ジャスミンの花も咲く美しいお庭をとおり、Fさんに家まで送っていただきました。
「今日はボクのために演奏をありがとう」
心を込めて、おっしゃってくださいました。
私も、良いお仲間の前で演奏する機会が与えられた事にとても感謝をしました。