「過去八十年間
私は毎日を同じやり方で始めてきた。
機械的な日課ではない。
それは私の生活にとって、かけがえのないものだ。
私はまずピアノの前に座り、バッハのプレリュードとフーガを二曲弾く。
他のはじめ方は私には考えられない。
そのひとときは、家そのものを祝福する祈りのように働く。
しかしわたしにとってそれはまた、私がその一部である世界の新たな発見を意味している。
それはわたしを人生の素晴らしさに気づかせ人間であることの信じられないほどの幸いをまざまざと意識させてくれる。」

チェリストのパブロ・カザルス(1876~1973)のこの言葉を読んだとき、なんだか嬉しくなりました。

私の場合は彼のような高尚な考えには至りませんが、私も一日の始まりがピアノを弾くことによって気持ちがしゃんとなり、体に音楽のエネルギーが入り元気になるからです。

私が弾くのは、今はバッハのパルティータ第一番。その曲集の中から数曲弾くのが習慣になっています。

この幸福の象徴のようなバッハの音楽に調和の心を与えられ、一日が祝福され、きっちりと始まったように思えるのです。