はじまり。 その2
AMH値の検査結果が27歳以下の数字と言われ、るんるんで気が緩んだところで、
子宮頸がん検診を勧められ、るんるん万歳ポーズのまま「はい!」と受けた結果、
気持ちよくパンチを喰らい急降下した私。
一瞬の手術で済んで、本当に幸運でした。
でも、この経験で学んだのは、自分が思う自分の体と、実際は噛み合っていないということ。
ご存知かもしれませんが、10年くらい前まではコンテンポラリーダンスに明け暮れるばりばりのアスリートで、筋肉とは長いこと向き合ってきました。
この仕事にシフトしてからも、見た目のフォルムや、どうみせるか、鏡や写真や映像と向き合うことは日常でした。
体の変化には敏感な自信があったのです。
でも細胞レベルの私のカラダは、私の意思が届かぬところだと思い知ったのがこの手術でした。
私の知らないところで進むこと、私の知らないうちに終わることがある。
健康な今のうちに、決める時が来たのかもしれない、と。
そんなタイミングで、「卵子凍結」ができるクリニックの話を小耳に挟んだのです。
姉のご友人がお勤めの、「はらメディカルクリニック」
姉を介して自分の現状を伝えたら、事実婚であるのならば「受精卵凍結」の方がいいのではとのこと。
自分が本当に何を望むのかすら霞んでいる中で登録した説明会。
本来は不妊治療を頑張っている方、これから頑張る方たちに向けて開かれる説明会です。
今すぐ子供が欲しい!とはっきり望んでいない私ではお門違いなのではと実はとてもドキドキしました。
でも、なるべく多くの選択肢を残すために情報はなるべく多い方がいいに決まってる!
もしも何かヒントになるなら!
そう思って、二人でオンライン説明会に参加しました。
今自分がどんなところに立っているのか、教えてくれるたくさんのデータ。
そして、体験談。
最初に「へえ」と声が出て、
次に衝撃、
涙がでました。
なんでかよくわからなかったけれど、
目の前がパッと明るくなった気がしたんです。
「今」ある材料だけで、
「今」決めなくてもいいんだ。
逆に、
「今」産まないからって、
「未来」を諦める必要はないんだ。
とにかく安心しました。
広々とした、露天風呂の湯船にちゃっぽんと浸かった時のような、
あったかくて、満たされる感覚。
それと同時に、気づかされたことも。
自分で思うより、ずっと、
この先どうなるかわからないままで、選べずにいる自分に、罪悪感と焦りがあったのかもしれない。
大好きな仕事が楽しいと感じた後の罪悪感や、
「今」産める環境ではないから「欲しくない」のだと蓋をしていたかもしれないこと。
見えないところに押しやったけど、
重たく広く、心に居座っていた想いを
部屋の真ん中に引っ張り出してきて、
ついでにさくっと断捨離できたような感覚。
気持ちに余裕ができたんです。
説明会が終わり、
どう思った?という問いかけに、
凍結したいとはっきり答えたと思います。
それはつまり、子供が欲しいと自覚したということ。
「今」じゃないから、言えなかったのだとわかったのです。
一度見えた明るい未来を、もう手放したくありませんでした。
だから、その日から私たちは更なるリサーチを始め、受精卵凍結に向けて動き出しました。
以前も書いたように、これがみんなにとっての正解ではないと思います。
でも、私たちにとっては正解でした。
こんなに心を軽くしてくれて、
ALL or Nothingではなく、
時限爆弾を抱えるような焦りの中でもなく、
二人が望む未来をどう引き寄せるか、素直に向き合うきっかけをくれた「凍結」というフェムテックに感謝しています。
未来の私たちには、今の私たちに見えない苦悩があるかもしれない。
受精卵凍結をしたとしても、産めるかどうかは確約ではありません。
でも、「今」の私たちは、凍結を決めました。
どんな決断をするか、それは「未来」の私たちに託したのです。
ここまでは私たちの、主に私の想いを主観的に書いてきました。
「自分もそうかも・そうだったかもしれない」と思えることがあるかもしれない、と思ったのです。
自分の想いに気づくきっかけになれたら本望です。
次回から、
一番大切なこと、
私が説明会で学んだ内容や、
同世代の私のような想いを抱えている方達に知って欲しいことを、きちんと書きたいと思います。
でも、時間がかかってしまうかもしれません。
私がお世話になった「はらメディカルクリニック」のウェブサイトにも誠実な情報が掲載されています。
もしお急ぎでしたら、こちらも参考になさってください。
新しい扉を開けたら、必ず新しい風が吹いてきます。
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